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日本人彫刻家がガウディのマリア像に挑む

2010.07.07 西久保 美千代

Casa Mila La Pidrera:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by vgm8383

スペイン・バルセロナ市にある世界遺産、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)。1882年に着工し、128年を経た今も建設中であるこの大聖堂の工事に携わる主任彫刻家は日本人。大聖堂前面にある「生誕の門」を完成させた外尾悦郎さんです。

サグラダ・ファミリアを設計した建築家アントニ・ガウディは図面を残さないことでも知られていますが、外尾氏は数少ない資料を読んでよく理解し、ガウディの望んでいた方向性を的確に彫刻の中に織りこむセンスを持つ芸術家として、この異国の土地で大きな信頼を得ています。

ガウディは、同じく世界遺産に登録されている邸宅、カサ・ミラの屋上にマリア像を置くことを計画しましたが、存命中に実現することはなく、これも、サグラダ・ファミリアのように未完の建物となっています。像を置くことで建物の完成をみるとした「ガウディ友の会」は、外尾氏に模型を依頼、6月18日に石膏モデルが発表されました。

しかし、カサ・ミラの現オーナーであるカイシャ・カタルーニャ財団、社会文化事業部門長のアレックス・スサナ氏は、マリア像設置に難色を示しています。マリア像を置きたいというガウディの希望を、施主ミラ氏が宗教色が濃くなることを懸念して拒否した経緯があり、さらに世界遺産として登録されている現在の形を守る義務もある、という理由からです。

現在、この外尾氏の彫刻はお蔵入りとなっていますが、ブロンズ像として完成させ、11月にスペインを訪れるローマ法王ベネディクト16世に贈呈するという話もあるようです。これこそ実現してほしいものですね。



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このニュースの地域

バルセロナ、スペイン (ヨーロッパ/ロシア

西久保 美千代