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Art & Design

美大生が被災地のためにできること

2011.03.25 岩井 光子

東北に希望の光を届けたい、と多摩美大生が作った「Life Light」

余震が続く日々。今後もいつ緊急避難指示が出るかわからない被災地に、一人ひとりが携帯できるようなライトを届けたい。

そう考えた多摩美術大学生の間宮尊(たつと)さんが作ったのは、LED端子に2つのボタン電池をはさんだ簡易なボタンライト。安全ピンをつけて胸に留められるようになっており、ポケットに入れておけば、必要なときに取り出して使うことができます。点灯時間は約15時間で、真っ暗闇でも手元を照らすのに十分な明るさ。間宮さんは懐中電灯が不足している被災地のことを思い、このミニライトを大量生産して被災地に送り届けたいとTwitterやmixiでアイデアを拡散しました。

賛同する声の一方、「本当に必要なのか?」「ほかの支援のやり方はないのか?」、懐疑的な意見も多く届きました。しかし、被災地のニーズは推し量ることしかできず、輸送ルートも現地のつてがないために話が進まず...。アイデアは壁にぶつかります。

材料は企業から無償提供を申し出る声があり、LED端子800個、ボタン電池2000個が届きました。間宮さんは仲間を募り、製作を開始。同大プロダクトデザイン学科の和田達也教授も加わり、使い勝手や安全性の細部を検討した上で、和田教授が「Life Light」とネーミング。素敵なパッケージデザインも決まりました。

package design.jpg

「Life Light」のパッケージデザインと説明書


3月24日までに仲間と750個を製作。都内でチャリティー販売をする選択肢も考え始めたころ、知り合いのNPOなどから輸送協力を申し出る声が相次ぎました。同25日には気仙沼市などに600個を送付。現在、追加で1000個を製作中です。

個人のアイデアから果たして学校や企業を動かすことができるのだろうか...。当初は迷いも大きかったプロジェクト。「既製品は数に限りが出てしまうけれど、これなら作り手と材料さえそろえば何万個でも作れるのが利点」、と間宮さん。美大生ならではのモノづくりの知恵を結集させた災害デザインが今や多くの人たちを動かし、その思いを被災地へと運んでいます。



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