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「プロボノムーブメント」がアジア各地で進行中

2014.11.06 加藤 彩菜

写真提供:サービスグラント

「プロボノ」という言葉を耳にしたことはありますか? 営業職のビジネスマンや、デザイナー、ITエンジニアなど、様々な職種の人々がそれぞれのスキルを生かして「プロボノ」として活躍しています。

「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門的知識を活かしたボランティア活動】を意味します。近年、日本国内でもプロボノに対する社会的関心は急速に高まりを見せており、新しい社会貢献のあり方として注目を集めています。

10月27~29日の3日間に、「アジア・プロボノラリーTOKYO 2014」が東京で開催されました。アジア各地でプロボノの運営に携わる韓国・中国・シンガポール・インド・サウジアラビア・タイ・日本と7カ国の10団体が一堂に会し、それぞれの国・地域で取り組んでいる活動について、様々な情報、事例、実施モデルなどを共有しました。プロボノの最先端の動きを発信し、アジア各地の市民社会に大きなインパクトを与える貴重な機会となりました。

どの団体も素晴らしい活動をしていますが、その中で印象に残ったものを少しだけご紹介します。

恵沢人ボランティアセンター(中国)は、持続可能な市民社会を支援することを目的に、専門性の高いNPOの組織基盤強化を行っています。専門性を持つボランティアとNPOをマッチングし、NPOがより速く、より質の高い発展を遂げられるようマネジメントしています。

代表の朱さんは、「中国では、年々NPO団体が増加し、自らの持つスキルを社会貢献に活かしたいという人も増えています。中国にとって、プロボノは大きく深いインパクトを与えるもので、企業のボランティアを通じて中国社会に変化をもたらすものです」と、力強く話します。

コンジャンクト・コンサルティング(シンガポール)は、東南アジア第1号となる社会変革を目的とするコンサルティング集団として、シンガポールの社会変革を担う団体の基盤強化のためのコンサルティングを、若者やビジネスパーソンたちによるプロボノで提供しています。

英語のConjunctとは、「結合」「連結」「つながり」の意味。多種多様な分野で活動するNPOとシンガポール国内外の経営コンサルティングのトップが、話し合う機会を設け、非営利団体の将来に向けた挑戦をより確かなものにするために、実現可能な戦略を備えるような支援を行っています。

今後もアジアだけでなく、世界中にこのプロボノ活動の動きが広がっていきそうです。

このイベントの主催団体でもある特定非営利活動法人サービスグラントでは、「プロボノ」の募集も随時行っています。

コピーライターやエンジニア、マーケッターなど様々なスキルな経験を持つ人々が「プロボノ」として活躍しています。1つのプロジェクトに参加するチームメンバーは、5~6人前後です。例えばウェブサイトや印刷物のプロジェクトの場合、全体の統括役であるプロジェクトマネジャーをはじめ、マーケッターが2~3人、コピーライター1人、デザイナー1~2人といった構成で約3〜6カ月かけてプロジェクトに取り組みます。

それぞれが本職を持っているので無理のない形での参加ができるようにチームで協力しながらプロジェクトを作り上げていきます。普段は製薬会社でマーケッターとして仕事をしている山川豊さんは、「私にとって一番合った社会貢献の方法がプロボノでした。プロジェクトでは、チームメンバーとお互いの持っているスキルを補いあいながら、本業での市場調査のスキルや強みを発揮することができました」と、プロボノに参加した感想を話しています。

今まで非営利団体が資金や人材の問題で注力できていなかった、WEB制作やマーケティングなどのプロフェッショナル領域。ここに専門スキルのある人々が活動にかかわれるようになれば非営利活動がより効果的に、そしてスピード感をもって発展していくことが期待できそうです。

「プロボノ」として、あなたのスキルを社会貢献に生かしてみませんか?




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