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Energy

波のエネルギーで電力を、東京都が波力発電を後押し

2010.04.12 宮城 広志郎

東京都の「波力発電検討会」は3月30日、波力発電の導入促進について取りまとめた報告書と提言を発表しました。

波力発電とは、波の波動エネルギーで発電を行うもの。現在、世界では波力を有望な再生可能エネルギーに位置づけ、その開発・導入に対してさまざまな支援策を講じています。特に、欧米では約100の事業が進められ、実用化しつつあります。

一方、日本は世界第6位の排他的経済水域を有し、海洋エネルギー資源に恵まれているものの、波力発電が「新エネルギー」として認められていません。そのため、国の支援策はなく、導入が進まない状況です。

そこで、東京都は昨年7月、産官学による検討会を設置し、波力発電の利用可能性などを検討してきました。

今回の報告書によると、日本の波力潜在量は3-4億キロワットにもなり、その3%を利用すれば、3000万キロワット以上の波力発電を導入できるそうです。欧米に遅れたために独自技術の開発は難しいものの、欧米の最新技術を取り入れれば、2020年までに30万キロワット以上、30年までには2000-3000万キロワットを導入できるとのこと。

これらの実現のため、検討会は次の提言を行っています。

・新エネルギーに加えるなど、国の政策として法的に位置づけ、開発・導入に取り組む
・実証試験やモデル事業などの検討を進める
・将来的には固定価格買い取り制度の対象に加える

検討会は、環境が整えば10年度にも実証実験に向けた取り組みを行うそうです。はたして、日本は10年とも言われる遅れを取り戻すことができるのか、日本の資源や技術を活かす政策が求められます。



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宮城 広志郎