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Food

オックスフォードで食のシンポジウム

2010.07.23 谷口 真理子

Ivan Day:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Jake Tilson

7月9日から11日、イギリスの名門オックスフォード大学セントキャサリンズカレッジで、恒例の食と料理に関するシンポジウムが開催されました。

毎年、学者、料理研究家、美食評論家、ジャーナリストから一般の参加者まで、幅広いバックグラウンドを持った世界各国の食の愛好家が一堂に会し、テーマに沿った論文発表や試食会などがセミナー形式で行われます。

食のエキスパートであり、「何でも食べる男」として知られる『The Oxford Companion to Food』の著者、故アラン・デビッドソン氏の発案で始まった同シンポジウムは、1979年に第1回が開催されて以降、「脂肪」「卵」「食とモラル」と多様なテーマが設定されてきました。

今年のテーマは「塩漬け、燻製、発酵食品」。
 
プレゼンターの中には日本人の名前も見られ、著作『箸のダイエット』で知られるシェフのバーバー・キミコさんはアジア独特の発酵調味料、醤(ひしお)について、また文化人類学者の藤本武さんは研究分野であるエチオピアのでんぷんの発酵について講義をしています。

シンポジウム自体は極めてアカデミックなものですが、中にはユニークな発表もあり、「野菜」がテーマだった2008年には、なんとニンジンのリコーダーを吹く、といったものも。会の常連であるアリシア・ロスさんは毎年食のパフォーマンスアートを披露しています。

食への情熱を共有し、おのおのの興味分野を真剣に議論する、という姿勢は創設者のデビッドソン氏が生涯唱え続けたアマチュアリズムを反映しており、狭い学界の殻を打ち破って食に関する研究をメインストリームにするという氏の夢が叶えられているように思われます。



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このニュースの地域

オックスフォード、イギリス (ヨーロッパ/ロシア

谷口 真理子