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日本の農業を面白くする「農家のこせがれネットワーク」

2011.03.17 大野 多恵子

2周年記念イベントで行われた「農家・こせがれ表彰式」

食料自給率40%、耕作放棄地、後継者不足などの問題を抱える日本の農業を、「かっこよく、感動があって、稼げる」3K産業に、と新しい風を吹き込むNPO法人「農家のこせがれネットワーク」。その誕生から2年。3月5日、6日に東京・六本木で、農家と「こせがれ」と一般消費者が一堂に会し、にぎやかに2周年記念イベントが行われました。ここで言う「こせがれ」とは、農家の後継者ではあるけれど、主に都会で別の仕事をしている人たちのこと。

代表の宮治勇輔さんは、大学卒業後4年間企業に勤めた後、実家の養豚業を継いで新たな販売経路を開拓しながら、一方でNPOを立ち上げました。日本の農業を活発にするための一番の近道は「農家のこせがれが、実家に帰って農業を始めること」と言います。

これまでその道を支援するために、六本木アークヒルズで農作物を売る朝市の開催、各地の農家から食材を仕入れる農業実験レストラン「六本木農園」への参画、農家のこせがれ交流会やバーベキューなどを行ってきました。また、丸の内朝大学農業クラスの人気は高く、都会と地方を結びつける大きな役割を果たしてきました。2周年記念イベントでは2011年度事業構想発表会が行われ、これらの活動を通して、実際に実家で就農したという3組のこせがれたちが表彰され、会場から大きな拍手がわきました。

宮治さんは、「これまで出会ったこせがれは、だれもが実家や農業のことを気にしています。そんなもやもやを次の行動につなげることが、次年度の課題です」と話し、新たな「帰農支援プロジェクト」を考えています。稼げる農家を目指すためには、経営者視点での生産、販売、財務と組織づくりが大切。そのために自己分析からライフプランを作成する「こせがれナビ」をスタートさせ、3年後には「こせがれグランプリ」を開催する予定。各地とのネットワークも広がりつつあり、将来的には全国的なネットワークを目指したいとのこと。楽しく、尽きないアイデアから、日本の農業は面白くなる!と、大いに期待したいところです。

*この度の東日本大震災により、「六本木農園」では、「食」を通して元気の輪が広がることで、農家の支援になる「EAT for JAPAN」プロジェクトを立ち上げました。オーダーメニュー一品につき100円が被災地に 寄付され、寄付金の詳細は、チャリティー支援サイト「Just Giving Japan」 内で毎日報告されます(4月30日まで)。



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