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「レストラン予約」という新しい支援の形

2011.03.16 岩井 光子

Pastina Restaurant Interior:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Muy Yum

多くの尊い命が奪われた東日本大震災。救助活動が進んでいますが、被害の規模や犠牲者の数はまだ定かでなく、海の幸と山の幸に恵まれた美しい東北が日常を取り戻すまでには、これから長い時間がかかりそうです。

音楽雑誌「ロッキング・オン」の創刊にかかわった橘川幸夫さんが所長を務める「デジタルメディア研究所」(東京・目黒)では、個人的に深いつながりのある青森県八戸市で息の長い支援ができないかと、アイデアを出し合いました。八戸は東北有数の漁港として知られていますが、現在は首都圏への物流システムが完全に寸断されているため、漁師さんが引き揚げた新鮮な魚を届けることができず、やむなく焼却処分にしているとのこと。日課であった仕事を始めたいけれども、始めることができない...。橘川さんたちはさぞかし肩を落としているであろう漁師さんの姿を思い浮かべました。

そこで、デメ研が市内の旧知のイタリアンレストラン「オステリア・デル・ボルゴ」に提案したアイデアは、支援金を同店のコース料理予約(1人5000円)という形で受け付けるユニークな応援方法。シェフはその代金の一部で魚など地元の食材を仕入れ、地域の人たちに無償で料理をふるまいます。一方、コース料理を「予約」した人たちは八戸に日常が戻ってきたら、改めてレストランで2500円のコースランチを食べることができるというものです。

レストランシェフは「僕も仕事がしたかった!」と喜び、さっそくアツアツのカレーを炊き出しで地元の人たちにふるまい、大好評だったとのこと。温かい食事が無口だった人々の気持ちを解きほぐしたのか、皆本当によくしゃべったとの感想が届いたそうです。

幸いけがのなかった人たちにとっては、日々の仕事を再開することが元気の回復につながります。デメ研ではこの試みがうまくいけば、市内のほかの飲食店に、さらには東北各地に広げていきたいと考えています。あなたもこのレストラン予約という新しい支援の試み、参加してみませんか?



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岩井 光子