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Food

生鮮食品が食べられないまち

2010.05.17 岩井 光子

roots vegetarian and organic grocery store (1):Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by steev-o

大型ショッピングモールが郊外に進出するようになり、客を奪われた中心市街地のスーパーや中小専門店が次々と閉店に追い込まれています。まちの空洞化は、住民にも被害をおよぼします。

食の砂漠(フードデザート)という言葉をご存じですか? 住民が近くで生鮮食品を買うことが難しくなってしまった地域のことです。

米ノースカロライナ州シャーロット市では、近隣の店で新鮮な果物や野菜を買えない母親が、バスや路面電車を乗り継ぎ、1時間近くかけて買い物に出かけると言います。

食事が缶詰食品や弁当、ファストフードばかりになると、栄養バランスが著しく偏り、例えば子どもの肥満や糖尿病といった健康問題が深刻化します。事態を重くみたシャーロット市とノースカロライナ州メクレンブルク郡は、このたび食に関する審議会を立ち上げました。

子どもの肥満問題に取り組むミシェル・オバマ大統領夫人は4月、「全米では約2350万人が、生鮮食品店が1マイル(1.6キロ)以上離れたフードデザートに住んでいる」と指摘。政府として早急な対策を行う必要性を説きました。

フードデザートは世界的な現象で、日本でも既に社会問題化しています。

専門に研究を進めている茨城キリスト教大学の岩間信之准教授らのグループによれば、日本では地方都市や郊外の住宅団地、中山間集落といったフードデザートに住む高齢者を中心に低栄養化が進んでいるとのこと。

車で郊外のショッピングモールに出かける便利さを享受している私たちですが、そうした時代の流れが思わぬ状況を招いていることに驚かされます。



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このニュースの地域

ノースカロライナ、アメリカ (南北アメリカ

岩井 光子