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世界の森林の増減が一目でわかる高精度地図

2013.11.22 山田 由美

2000-2012年までの森林消失を示した地図。左下でアップになっているのはボリビア、パラグアイ、アルゼンチンの農工業の開発が盛んな「チャコ森林地帯」。パラグアイではその地域が国土の西部半分を占めるが牛の牧場開発が急激に進み、結果として世界で最も高い森林消失率となっている  Published by Hansen, Potapov, Moore, Hancher et al.

地球観測衛星ランドサットの画像を用いて2000年からの森林の増減を表した地図がGoogle Map上に公開されました。アメリカのNASA、グーグル、メリーランド大の研究者らのチームが作成したもので、解像度(1ピクセルあたりの距離)は30メートルという細かさ。ローカルレベルに拡大しても十分に耐えられる精度です。今までは国や地域がそれぞれ異なる方法や定義で森林の増減を測っていたので、同列に見ることができませんでした。それが今回初めて世界全土を同じ土俵で見ることでできるようになり国別の比較が可能になったことで、見る側はよりシンプルに状況を理解できるようになったのです。

メリーランド大のマシュー・ハンセン教授は「65万4000枚ものランドサット画像を合成して2000年から2012年までの森林増減を示しました。12年間で230万平方キロ、およそアラスカ州全体の面積に匹敵する森林が失われたことが分かりました」と話しています。原因は伐採、火災、病気の蔓延(まんえん)、嵐などです。逆に再生した森林は80万平方キロで、アメリカ南東部で土地所有者が植林をし、30%以上の回復を見せた箇所もありました。今回の地図により、世界の熱帯雨林は全体で年間2100平方キロ消失しているという事実も定量的に判明しています。

ブラジル政府は11月に「アマゾンの森林消失率が30%増加した」と発表しましたが、これでも長い目で見ると2010年-11年の森林消失率は2003-04年の半分になりました。ハンセン教授は「これはブラジル政府が組織的に努力した結果で、おかげで世界中の他の国々も規制を設けるようになったのです」と言います。

ボルネオ島を見ればマレーシアとインドネシアの伐採具合の違いが国境を境に明らか。2011年にアメリカのアラバマ州で起こったトルネードの痕跡も分かります。これら事例はズームボタン一つで飛んでいけるように予めセットされています。

世界の森林から自宅の近くの緑地まで、その変遷を見てみてください。



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山田 由美