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Water

100万人の子どもたちで作る世界水質地図プロジェクト

2013.03.18 岩井 光子

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World Water Monitoring Day activities at Honolulu District:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by HonoluluDistrict

1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球サミット。カナダから1万キロを旅してきた12歳のセヴァン・スズキが「伝説のスピーチ」をしたことが思い出されます。このときのアジェンダ21で提案され、制定されたのが「世界水の日」です。

世界水の日は毎年3月22日。各国のNGOがこの日を記念して水に関連した活動を実施していますが、アメリカで2007年に始まり、今ではアフリカ大陸も含め世界中に広がっているのがWorld Water Monitoring Challengeです。世界各地の子どもたち有志に地域の川や池、湖、貯水池などの水質検査をしてもらい、水質を一覧できる世界地図を作ろうという壮大なプランで、2014年までに100カ国100万人の子どもたちの参加を目標にしています。

World Water Monitoring Challengeは、もともと1972年に制定された米水質浄化法を記念して行われていたWorld Water Monitoring Day programから発展したプログラムで、2011年までは9月18日から10月18日にかけて行われていました。しかし、10月になると水が凍ってしまって測定出来ない地域もあることから、2012年より名称をWorld Monitoring Water Challengeと変え、サイトも一新。3月22日の世界水の日から同年12月末まで、いつでも好きなときに取り組めるようになりました。昨年の参加国は66カ国に上り、集まったデータ数はアメリカの2971件を筆頭に、スペインの1320件、台湾の202件、ルーマニアの176件と続いています。

プログラムをコーディネートしているのはアメリカの水環境連盟(WEF)と国際水協会(IWA)。活動は企業に支えられていて、水処理大手のザイレムなどが協賛しています。個人の参加者もいますが、ほとんどは学校単位で参加する子どもたち。希望すれば事務局から簡易な水質検査キットが送られるので、それを使って身近な川や池の水温や水の濁り具合、溶存酸素量、pHの値などを調べます。日々の生活排水が水質にどう影響するかを知り、水環境の保護意識を高めてもらうことが目的です。


サイトのブログでは、アフリカ、アジア、オセアニアと世界のあちこちで行われているプログラムの最新報告が読めます。水生昆虫を見つけて大はしゃぎする子どもたちの様子に「どこの国の男の子も一緒だな」と思わずほおがゆるみます。昨年は残念ながら日本からの参加はありませんでしたが、今年は日本からもぜひ参加してほしいと思う、興味深いプログラムです。



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岩井 光子