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国際河川めぐる朝鮮半島のあつれき

2009.09.11 橋本 淳司

9月6日、北朝鮮が臨津江(イムジンガン)上流のダムを放水、韓国内の同河川の水位が急上昇し、6人が死亡、あるいは行方不明となる事件が起きました。北朝鮮は「ダムの水位が上昇したので緊急に放水した」と説明、韓国は「無断放水で人命被害が発生したことに対し、北朝鮮当局の十分な説明と謝罪を求める」としています。

水をめぐる争いの多くは国際河川の流域で発生します。国境をまたぐ国際河川は世界中に263本あり、国土内に国際河川の流れる国は145カ国あります。たとえば、国際河川の上流にある国が灌漑(かんがい)や水力発電で水を使えば、下流地域の水は減ります。ダム開発において相互調整が図られないと、貯留池での沈泥が下流域の肥沃な土壌形成の妨げとなります。上流での工業排水や生活排水は国境を越えて下流国を汚染します。

国際河川の上流にある強国が思いのままに水を使うと、下流の国に大きなストレスを与えます。今後、世界各地で国際河川の使用に関するルールづくりが必要になるでしょう。

日本は島国であり、河川は上流から下流にいたるまで国土内で完結しているため、河川の使用をめぐって他国から一切のストレスを受けません。日本人が水問題に関心が薄いのは、このことも一因と考えられます。



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橋本 淳司