NTT DATAThink Daily

  • 地球リポート
  • 地球ニュース
  • 緊急支援
  • 告知板
  • Think Dailyとは

地球ニュース

RSSrss

Water

中国初の節水の授業が行われる

2010.10.20 橋本 淳司

節水の授業を受ける中国の小学生

10月14日、中国河南省鄭州(ていしゅう)市の小学校で節水の授業が行われました。中国では初めての試みです。

中国の水事情は逼(ひっ)迫しています。北部はもともと水が少ないうえ、人口増加・産業発達による使用量増加、気候変動にともなう降雨量・河川流量の減少で、状況は悪化し続けています。中国政府はこれまで水道料金の値上げ、節水・水再利用技術の導入などで対策してきました。しかし水道料金を上げても富裕層は影響を受けず、低所得層の生活は厳しくなる一方です。また節水や再利用技術の導入にはコストがかかり、すべての省で最新テクノロジーの恩恵を受けることはできません。

そこで教育活動に力を入れることになりました。節水教育が大きな効果を発揮した例は過去にもあります。1980年代半ば、米ボストンで水需要が安定供給量を上回り、市はコネチカット川からの新たな導水を検討しました。ところが節水教育を行ったところ、水使用量を2003年までにピーク時から31%減らすことができ、導水計画は無期限に延期、設備投資だけで5億ドル(約40億円)のコストを削減できました。その後も水使用量は減り続け、2009年には同41%減となっています。

ボストンでの成果のポイントは市民に節水意識が根づいたこと。14日の授業では、子どもたちが独自の節水方法を活発に発言し、教室の雰囲気は熱気に包まれていました。現在、授業を行う担当者である「節水リーダー」は、北京市、鄭州市、淄博(ずーぼー)市の3都市で22人。今後の広がりは担当者を増員できるかどうかがカギとなります。



関連するURL/媒体

Bookmark and Share

Thinkテーマ別に読む

Education, Water

このニュースの地域

河南省、中国 (アジア/オセアニア

橋本 淳司