高齢化社会の対策や研究を行うアキタエイジラボが主催するトークイベント「高校生と語るSDGs」に理事の上田壮一がゲスト参加しました。実は全国学力・学習状況調査でトップレベルの成績を維持する秋田県。留学にもとても熱心です。そんな秋田の高校生たちが学校の枠を飛び越えて自らの活動や地域の課題、目指すビジョンについて発表してくれました。その発表が素晴らしかったので、簡単にフォトレポートでお伝えしたいと思います。ぜひ、ご覧ください。

土曜の朝11時。発表する高校生や地域のみなさんが集まってきたところで、開会の挨拶と趣旨説明を柳澤龍さんから。柳澤さんのお声掛けで今回の企画が始まりました。

まずは上田から「SDGsとソーシャルデザイン」をテーマに1時間講義をさせていただきました。SDGs達成のためには、社会性と創造性を兼ね備えた取り組みが求められます。ソーシャルデザインという視点を軸に、国内外の様々な事例を紹介しました。

真剣にメモを取ってくれていました！SDGsの認知度の低さに愕然とし、もっと多くの人に知ってもらいたいと話してくれました。

午後は高校生からの活動発表です。トップバッターは秋田県立羽後高等学校のみなさん。地元スーパー「マルシメ」のCSR活動とSDGｓとの繋がりを研究し、発表してくれました。この活動を通じて、企業が地域社会にどのように貢献できるのかを学んでいること、また市民の利用頻度が高いスーパーを研究したことで、SDGsが身近なテーマになっていることが印象的でした。

続いて秋田南高校は世界の食糧問題をテーマにした発表です。秋田南高校のみなさんは、ファーストフードなどの消費によってhidden hunger（隠れた餓え）が蔓延していることを問題とし、その解決のために秋田の米ぬかを利用したNバーガーを開発しました。米ぬかはビタミンやミネラルを多く含んでいるにも関わらず、不人気で食べられていない。それをハンバーグにして美味しく調理することで、食料ロスや健康の問題を解決しようという素晴らしいアイデア！です。実現性の高さとネーミングセンスがひかる発表でした。

そして最後は男鹿海洋高校のみなさん。普段から地域の海洋資源の利活用に取り組む中で、小さな魚が食べられずに捨てられていることに気づきました。そこで、家庭では調理しにくい小魚を利用した商品を開発し、道の駅などで販売。地元企業に開発した商品を引き継ぎたいと話してくれました。海の問題は、秋田だけの課題ではありません。日本では漁師の数が減り、漁師になりたい！という人は少ないそうです。そんな中ノルウェーでは、漁師の人気がとても高く収入も安定している、という先進的な取り組みを引き合いに、日本のこれからの漁業をどう守っていくべきか、参加者に課題を投げかけるプレゼンテーションでした。

そして、最後はもうひとりのゲストであるSDGパートナーズ有限会社の山岸彩夏さんから、改めてSDGsのお話を。みなさん、写真を見てお気づきかもしれませんが、今回発表してくれた学生はなんとみんな女性！です。笑　　そんな女子学生たちに向けて、女性目線で考えるSDGsの現状や課題、そして何より「持続可能な社会ってなんだろう？」「幸せってなんだろう？」という根本的な問いの投げかけが、自分とSDGsを結びつける機会になったのではと思いました。最後は各発表について応援コメントを、参加者・発表者みんなで贈り合って、イベントは終了となりました。こういった高校生たちの取り組みを地域の方と共有する場があるとすごくいいと思いました。今後も秋田県の取り組みを注目しています！

真剣にメッセージを書く秋田南高校のみなさん。

もらったコメントは、パネルに貼って。たくさんのコメントが集まりました。

羽後高等学校のみなさんと。楽しい時間をありがとうございました！

（SDGs for School事務局 笹尾／写真：三輪 卓護）