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考える、それは力になる


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contents

2019.11.08

人と野生生物の共存にモヤモヤを抱えた旅、中高生ボルネオ島スタディツアー2019@サバ州に参加してきました

こんにちは、Think the Earthの松本です。

台風や大雨など、最近は天候による怖い災害も増えました。被災された方もいらっしゃると思います。一日でも早く、普段の生活に戻れるよう、願っております。

さて、今年の8月15日から22日まで、ボルネオ島の熱帯林とアブラヤシ農園を訪問するスタディツアーに行ってまいりました。企画は、Think the Earthのメンバーでもある、新渡戸文化学園の山藤旅聞先生。認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)の協力のもと、実現しています。高校生を対象にSDGsを学校の外で学べる場として実施され、昨年からはThink the Earthで実施するプロジェクト「SDGS for School」が応援するプログラムのひとつとなっています。

▶認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)
http://www.bctj.jp

5回目の実施となる今回訪れたのは、島の最北、マレーシア領のサバ州(Sabah)です。8日の旅程はこんな感じ。

日本からサバ州・州都のコタキナバルに到着、そこで1泊した後にひたすら東へ進みます。地図上に落とした図が下記です。水色が訪問先で、オレンジ色が宿泊先です。地図の番号順に進みます。

さまざまな生きものを見、アブラヤシ農園を訪れて、現地の自然と現地の人々の暮らしに触れることで、いまの世界から一歩外に踏み出せるような、これまでとは違う視点を得られるような、そんなツアーです。

今回は、高校生・中学生20人の学生たちが参加しました。東京の学校に通う学生がメインですが、宇都宮市から来てくれた人も。教員10人ほども加わって、合計約30人でボルネオへ行くことになります。

BCTJの荒川共生さん、岸優子さんがツアーのコーディネーションと同行をしてくださり、荒川さんは全3回の事前学習会にも同席してくださいました。ボルネオの概要や旅程についての説明はもちろん、前回の参加者も来てくれて、今回のツアーの肝である、アブラヤシ農園の拡大によって熱帯林が減少し、その影響で野生生物が住む場所を奪われているという問題について学びます。

ボルネオが抱える課題

ボルネオ島は、カリマンタン島とも呼ばれ、インドネシアとマレーシア、ブルネイの3国が領土を分け合っています。豊富な自然と、数多くの固有種が息づいていて、特にこの島の熱帯林は、世界最古とも言われています。

▶ボルネオ島(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%AA%E5%B3%B6

この島でいま起こっているのが、パーム油の問題。パーム油は「見えない油」とも言われ、スナック菓子や即席めん、チョコレートにも使われています。なぜ「見えない油」と言われるかというと、日本では食品に記載される原材料名の欄には「パーム油」ではなく、「植物油脂」と書かれることが多いからです。石鹸などの日用品にも使われているので、わたし達が生活のなかでどれだけのパーム油を使っているのか、すべてを把握することはできません。そのパーム油が安価なこともあり、消費が拡大しています。消費が増えるにつれ農園の数も増えていき、多くの野生動物が暮らしていた熱帯林が切り拓かれているのです。


訪ねたアブラヤシ農園で高校生が運搬を体験。ひと房が20キロ〜30キロの重さなので「めちゃめちゃ重かった」

熱帯林が切り拓かれ、人間が生産活動を行う農園へと変わると、野生動物たちの生活範囲が小さくなりました。また、わずかに残った熱帯林も農園によって分断され、エサを求めて熱帯林を移動していたゾウやオランウータンなどが十分なエサを探しに行けなくなってしまいました。農園に入り込み、農作物を荒らすことも多いため、彼らは駆除の対象となりました。現在、ボルネオの固有種であるボルネオゾウやボルネオオランウータン、テングザルなどは、絶滅の危機に直面しています。

多くの野生動物が生息するボルネオ

今回はとても幸運に恵まれて、山藤先生にも荒川さんにも「もし見れたら幸運ですよ〜」と言われていたラフレシアの花とオランウータンを見ることができました。


ラフレシアの開花は、わずか1週間

ラフレシアの咲く施設には、カカオの木やゴムの木も。学生たちは、めったに見られないカカオの実を撮影中

オランウータン、偶然出会えました! 高校生の技を真似して、双眼鏡にスマホのカメラを当てて即席望遠レンズ

さらに、カニクイザル、ブタオザル、テングザル、シルバーリーフモンキー、シロクロサイチョウ、その他さまざまな野生動物にも遭遇でき、ボルネオギボン(テナガザル)の声を聞く事ができました。

今回、野生動物に出会えた多くは、小型ボートに乗ってキナバタンガン川を移動していた時でした。多くの野生動物に出会えて興奮する参加者たちでしたが、両岸の熱帯林ところどころに見える、アブラヤシの存在。事前学習会で、キナバタンガン川の両岸50メートル以内には農園を作ってはいけない、という法律があると聞いていましたが、違法プランテーションを目の当たりにして残念に思う一行。


キナバタンガン川はこんなに蛇行しています。中程のUの字になっている地点を指差して、「ここ、あと100年くらいしたらつながって三日月湖になりそうだねぇ」と荒川さん

いくつかのボートに分かれて出発。操縦は現地の方。わずかな葉の動きから、動物を見つけてくれます

熱帯林の隙間からアブラヤシが顔を出す

テングザル。川の両岸にわずかに残った熱帯林で動物たちが暮らしているため、リバークルーズでは野生動物に出会いやすいという側面もあるのだとか

ボルネオには昆虫もたくさんいます。キパンディ・バタフライパークの昆虫博物館には、ボルネオ以外の虫も含む壁一面のコレクション

そんな現状に対して、BCTJと、ボルネオ現地の団体である「ボルネオ保全トラスト」(BCT)では、野生動物の暮らしやすい環境づくりと、野生動物の保護活動を行っています。今回はその代表として、点在する熱帯林をつなぎ、オランウータンが移動できるようにする「吊り橋プロジェクト」でできた吊り橋と、ケガをした野生動物を治療・保護する「ロッカウィ野生生物公園」を見学しました。


ボートの奥に見えるのは、オランウータン用の吊り橋。川を渡ることのできないオランウータンがアブラヤシ農園によって分断されてしまった熱帯林を移動できるようになり、十分なエサを探せるようになる
ロッカウィ野生生物公園で一生懸命バナナの幹を食べるこの子象は、紐をつかった罠によって鼻を締め付けられ、鼻先を失ってしまったそう。アブラヤシ農園に入り込んでしまい農園を荒らすボルネオゾウは、害獣として駆除する対象に。ゾウは集団で毒殺されることもあり、公園には親を殺されて熱帯林をさまよっていて保護されたゾウがいたりもする

アブラヤシ農園訪問と現地の人との交流

社会課題は、一つの側面からだけでは到底把握しきれません。ツアーの後半では、前日に合流したボルネオの学生たちとともに、FGV社が運営するアブラヤシ農園を訪ねました。

▶FGV
http://www.fgvholdings.com


農園はとても広大。宿泊地から乗ってきた車で移動する

こちらのアブラヤシ農園は「RSPO」認証を取得しています。RSPOとは、手つかずの森林や保護したほうがよい地域にアブラヤシ農園を開発しないこと、労働者や小規模農園に対して公平な立場をとっている、といったことを求める8つの原則と43の基準を定める、持続可能なパーム油を生産するための認証です。

▶RSPOについて
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3520.html

農園では実際にアブラヤシの実の収穫を見せていただき、パーム油をつくる行程も説明していただきました。


オレンジ色の果肉は食用の油に、白いタネの部分は化粧品などにつかう油になる

アブラヤシの木には、高さ20メートルにもなる種と、それを収穫しやすいように矮小化させた種の2つがあり、それぞれに収穫の方法が違います。高さ20メートルの木からの収穫では、ギザギザの歯のついたカマを使って、まずは葉を刈ってから果房を落とします。地面に落とした時のインパクトは、それはもうすごいもので、「ドン」という鈍い音が聞こえます。それに比べて、矮小化させた種は収穫作業がしやすいだけでなく、果房もあまり傷つけずにすむのだとか。

実演してくれた従業員の方に、高校生がインタビューをしていました。彼は、インドネシアから移住してきて、いまこうして仕事にも恵まれ家族と一緒に暮らせることがとても幸せだと言っていました。現地の高校生にとっても、家の隣にあったりするアブラヤシ農園はとても身近な存在となっているそうです。


従業員にインタビューする学生。「仕事があって家族とも一緒に暮らせて幸せ」という回答がとても印象的だったと言っていた。インタビューさせてもらったのは、左奥の方。左手前の方が、マレー語から英語に通訳してくださった

現地の高校生たちとアブラヤシ農園のイメージについてディスカッション

そしてもうひとつ、ツアー中に荒川さんからは、ボルネオでの森林破壊や野生動物の危機には日本もからんでいるという大切なお話がありました。

1970年代のサバ州には、多くの日本人がたくさん住んでいました。というのも、日本での輸入木材の関税引き下げによって、ボルネオの木材を採りにきた日本企業がたくさん参入してきたからです。伐られた木材はおもに、コンリートの型枠などにも活用されています。そして2020年に開催される東京オリンピック。ここにも実は、サバ州の隣、サラワク州(Sarawak)で採られたものの、出どころがきちんとわからない木材が使われていると言います。日本に輸入されている木材のなかにも、違法伐採されたものが含まれている可能性もあるのです。

▶熱帯林の木材使用に関する朝日新聞の記事
https://www.asahi.com/articles/ASL147CYVL14ULZU00Q.html

▶「2020 年東京五輪䛾熱帯材使用に関する公式な情報開示に対する NGOの解説」(2018年2月)
http://japan.ran.org/wp-content/uploads/2018/02/NGO-Briefing-on-Tokyo2020-Timber-Supply-Chain-Disclosure-Feb2018.pdf

森林伐採のほかに、密猟の問題もあります。象牙やウミガメの甲羅、冷凍されたセンザンコウが売買されています。日本では象牙の取引を未だ禁止していないため、密猟された象牙が流通している可能性も懸念されるといいます。ボルネオで起こっていることは、自分たちと関係ないことではない、と実感しました。

現地でないとできない経験

自然環境だけに注目すると「森林を伐採し動物の生きる場所を破壊しているパーム油の生産は悪である」と捉えてしまいがちですが、現地の人からすると「農園は現地での雇用を多く生み出し、人々の生活を支えている、とても身近な存在である」ということも事実。

このツアーを通して、自然破壊や野生生物の保護といった視点に、現地の人の暮らし、日本との関わり、という要素が加わりました。教員も含めた参加者全員が「どうしたら・・・?」とモヤモヤを抱えます。

ツアー最後の夜の振り返りには、学生たちから、「パーム油だけが問題ではない」「どうしたらよいのか」「とにかく他の人につたえてみんなで解決策を考えたい」「遠い国で起こっていることではない」といった感想があがっていました。これらの感想は、動画や読み物からだけでは得られないものだと思います。


サバ州のシンボルである「キナバル山」と銘産の紅茶の茶畑

帰国後、学生たちはさっそくアクションをはじめました。2019年9月に行われた「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」(通称:超福祉展)で報告したり、先日行われた振り返り会では、「ボルネオで見た虫の図鑑をつくりたい」「文化祭で使う木材を持続可能なものに」「ショッピングモールでエコイベント」「バレンタインチョコのプラ包装を環境のよいものに」などなど、たくさんのアクションプランが飛び出しました。これらのアイデアが、今後どのように展開して、どのような未来を作っていくのか、楽しみですね!

(文・写真:松本麻美)

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