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ウミガメの大量死、原因は原油流出ではなくエビ漁

2010.07.10 アマサワエンジィ

現在も油井(ゆせい)をふさぐ作業が難航しているメキシコ湾原油流出。事故後に報道されたミシシッピ川の沖合いで発見されたウミガメの大量死は、原油や油を分解するために使われた分散剤が原因ではなく、近辺のエビ漁で違法に使用されたネットに引っかかったためであると、国立海洋大気圏局(NOAA)の科学者が発表しました。

は虫類を専門とする動物病理学者のブライアン・ステーシー博士は、回収された417匹中、詳細な調査が可能だったうちの半分以上のウミガメの肺や気管から沈殿物が見つかったことから、死因は網に引っかかって溺(おぼ)れたためだと指摘。トロール船のエビ漁では網を長い距離引くため、ウミガメが引っかかってしまった場合、息継ぎをするために海面に上がることが出来なくなり溺れてしまうのです。体内に石油系炭化水素や有毒物質があるかどうかについては現在調査中ですが、これらでウミガメが病気になることはあっても、死ぬことはないそうです。

現在はウミガメの逃げ道が設けられている網を使用することがエビ漁業者に義務付けられているものの守られておらず、毎年ウミガメの溺死数はエビ漁シーズンにピークを迎えるそうです。原油流出事故前の4月にNOAAとテキサス州政府が行った立ち入り調査では4隻のエビ漁船が違法な網を使用していたことが報告されました。環境団体は違法な網の使用への取締りを厳重に行うよう、米政府に呼びかけています。



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