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NYで大人気のバイクシェア、Citi Bikeが財政難

2014.04.19 アマサワエンジィ

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Photo by Angie Amasawa


2013年5月に米ニューヨーク市でスタートし、大手銀行Citi Bankなどがスポンサーになっている自転車シェアの取り組み、Citi Bikeが100万ドル規模(約1億200万円)の資金難に陥っていることが明らかになりました。専用アプリで駐輪場の位置や各駐輪場の利用可能台数が把握できるなど、情報技術を巧みに利用したサービスが注目を集め、取り組みが始まった当時はマイケル・ブルームバーグ市長に「地下鉄、バスに次ぐ新たな交通手段」と呼ばれたCiti Bike。そして年間会員数も今年3月には9万9000人を突破しました。そのCiti Bikeがなぜ、財政難を抱えているのでしょうか?

主な理由に、不測の事態による出費と収入減が挙げられます。2012年にニューヨーク市を襲ったハリケーン・サンディで、駐輪所などの設備は稼働前に既に大きな打撃を受けており、昨年の記録的な大寒波は利用者を減少させました。また、Citi Bikeでは利用者のニーズと各駐輪場の停車数によって自転車を移動させていますが、ニューヨークの渋滞と闘いながらの移送が大変な出費となりました。さらに短期利用パスと比べて利益率の低い年間パスが予想以上に売れる一方、短期パスの購買者として見込んでいた観光客には利用が広まらなかったことから、収益を思うように上げることが出来ませんでした。

他の理由としてささかれているのがCiti Bikeの運営会社、Alta Bike Shareの対応の遅れです。画期的と注目されたアプリの不具合や、短期利用者用の支払い機に問題が生じた際の対応の遅さが顧客離れの原因となり、今回の財政難につながっていると言われています。

米国では同様の自転車シェアを行う都市がいくつかありますが、自治体からの補助金を一切受け取っていないのはCiti Bikeのみです。現時点では公的資金を申請する意図はなく他企業からの出資を募っているものの、困難を極めているそうです。また、ハリウッドスターがCiti Bikeを利用している様が取り上げられるなどCiti Bikeは依然として人気が高く、年間会員の数から見ても需要は明らかなため、 ニューヨーク市議会ではCiti Bikeの財政情報の開示を求める議案を提出する動きが出ています。Citi Bikeがどのようにして利益を生む持続可能なビジネスへと変化を遂げられるのか、注目が集まります。



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ニューヨーク、アメリカ (南北アメリカ

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