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所有から「共同消費」へ、スマホで拡大するレンタルビジネス

2012.03.22 アマサワエンジィ

Tuxedo Rental:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by faungg


「ブランド品のネクタイを、買わずにレンタルしませんか?」とネクタイのレンタルサービスを2011年に開始したのは、ワシントンDC発のベンチャー企業、Tie Society。月額11ドル(約900円)からの利用料金で、高級デパートに並ぶ300種類ものネクタイを無期限でネット宅配レンタルでき、飽きたら何度でも取り替えることが出来ます。「僕は今流行のキルト柄のネクタイを借りているよ。ネクタイ1本に100ドル払わずにいろいろなデザインが試せるのが嬉しいね」と、話すのはワシントンDCの弁護士、マサイ・マクドゥーガルさん。

実はこのようなネット宅配レンタルを行う企業が近年アメリカで増えています。例えば、Spark Boxでは子どもの成長に合ったおもちゃを、Rent Our Boxesでは引越し用のダンボールを宅配レンタルしています。そしてこれらと形態は多少違うものの、自分の借りたいものを貸してくれる人を探す、個人所有物の貸し借りの仲介を行うSnap Goodsなども人気を集めています。

しかしもともと個人の所有権に対する観念が根強いアメリカでは、人と物を共有するということ自体あまり受け入れられていませんでした。何が人々の考え方を変化させたのでしょうか?

金融危機以降、アメリカ人の節約志向が広まり、買うよりも比較的安いレンタルを選択させたのも一因ですが、大きな要因はスマートフォンなどネットが使用できる携帯端末の普及によるものではないかと言われています。「このようなレンタルビジネスは10年前には存在しえなかった。インターネットにアクセスできる携帯端末が普及していなかったから」と、米投資会社「レボリューション」の創立者で元AOL社CEOのスティーブ・ケース氏。スマートフォンひとつで品物を宅配レンタルできる利便性は消費者にとって魅力的といえます。

さらに、フェイスブックなどSNSの普及も大きく影響していると考えられています。SNSの利用者が増え、プライバシーに対する考え方が変わり、他人と情報や物を共有することを社会が受け入れ、抵抗を感じなくなったのではないかと言われています。

専門家はこの現象をcollaborative consumption(共同消費)やThe sharing economy(共有型経済)などと呼び、今後シェア革命が起こると言う人もいます。このまま進めば、国境を越えて物をシェアする時代も来るかもしれません。すでに私たちはたくさんの情報を世界の人々と共有しているのですから。



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