NTT DATAThink Daily

  • 地球リポート
  • 地球ニュース
  • 緊急支援
  • 告知板
  • Think Dailyとは

地球ニュース

RSSrss

Climate Change

世銀報告書が示す気温上昇の危険とツバルのゆくえ

2012.12.09 ささ とも

Tuvalu:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by INABA Tomoaki

11月26日から12月8日までカタールのドーハで開催された気候変動枠組み条約第18回締約国会議(COP18)に先立って、世界銀行が地球温暖化に関する衝撃的な最新報告書を発表しました。

報告書「熱を下げよ-なぜ4度上昇を避けねばならないか」によると、温室効果ガスの排出削減をさらに促進しなければ、世界の平均気温は、産業革命以前と比べ、2100年までに約20%の確率で4度超上昇すると予測されています。

温暖化は、さまざまな悪影響を引き起こすと言われていますが、その中でも海面の上昇は深刻な問題です。報告書では、気温が4度上がると2100年までに海面は0.5-1m超上昇するとしています。前回のダーバン合意では、2度あるいは1.5度未満に抑えると明記されました。しかし、本報告書では2度に抑えたとしても海面は上昇し続け、2300年には現在と比べ、平均で1.5-4m高くなると推定されています。

南太平洋にある9つの環礁から成る島嶼(とうしょ)国ツバルは、海抜が最も高いところで4.5メートルしかありません。近年では、高潮などの発生により、すでに一部の地域で水没の被害が大きくなっています。長年にわたりツバルの状況を観察し続けてきた特定非営利活動法人Tuvalu Overviewの最新報告書(PDF)によると、海岸線での浸食被害のほか、海水の道路への浸水、畑の塩害や井戸水への影響などがみられるとのこと。水面上昇のほかにも2011年4月から半年以上続いた干ばつで、水と食糧に大きな被害が出ました。気候変動への適応策として、海岸浸食を防止するための植林や、主要道路のかさ上げを進めています。また、ツバル政府はニュージーランドに国外移住計画を設定し、2002年から開始されています。

沿岸部の浸水、食糧危機、砂漠化、熱波、暴風雨の発生増加。温暖化がもたらす影響は100年先ではなく、今すでに起きているのです。



関連するURL/媒体

Bookmark and Share

Thinkテーマ別に読む

Climate Change

このニュースの地域

ツバル (アジア/オセアニア


ささ とも