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Climate Change

増える気象災害 ロボットの活躍に大きな期待

2015.11.19 ささ とも

広島の土砂災害では現場の状況把握に活用されたUAV:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Bill in Arizona

COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)が11月30日からフランス・パリで開催されます。2020年以降の温暖化対策に向けて、どのような国家間の枠組みで「パリ合意」が締結されるのでしょうか。気候変動対策は、温暖化をできるだけ抑えるために温室効果ガスの削減を目指す「緩和策」と、温暖化に伴う気象災害や生活環境の変化が起きたときに対応する「適応策」の2本柱となっています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が最近公表した第5次報告書によると、世界の平均気温は産業革命からすでに0.8℃上昇しています。ここ数年、日本でも温暖化の影響と考えられるような大型台風や集中豪雨が頻繁に発生し、多くの犠牲者を出してきました。今、災害対策の強化が求められる中で注目されているのが「災害対策ロボ」です。

災害現場でロボットは人間が近づけない危険な場所や汚染場所での作業などで活躍が期待されています。記憶に新しいところでは、2014年の広島土砂災害で無人飛行ロボット(UAV)が現場の状況を把握するために利用されました。災害ロボット工学研究者ロビン・マーフィー氏は、2005年に米国東海岸を襲ったハリケーン・カトリーナの災害現場で初めてUAVを使用し、湾岸の建物を探索しました。同氏は無人水中機(UMV)も開発していて、SARbotと名づけられたロボットは、イルカのように水中に潜り、超音波センサーを使います。2011年の東日本大震災ではUMVを使って海中の行方不明者を捜索し、港内のがれきを取り除きました。

日本でも災害対策ロボットの開発が進められています。2015年8月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が発表したロボットは、複数の関節をもつワーム型で、人が入り込めないがれきの隙間の中で、搭載されたセンサーを使って被災者の呼吸などを検知したり、周囲の情報を集めたりすることができます(電子機器メーカーのタウ技研が開発)。他にも水中で行方不明者の捜索や被害の状況の把握で利用できる遠隔操作の無人探査機(ROV)も開発段階にあります。

温暖化の影響がますます強くなると、複数の場所で同時に気象災害が起こることも考えられます。できるだけ早く対応するためにも、最新の技術を活用して、災害対策強化につなげることが必要になっています。



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