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「子どもの幸福度」調査でオランダが1位に

2013.04.15 ささ とも

The Launch of the UNICEF Ireland Report Card 11 - 10th April 2013:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Department of Children and Youth Affairs

入学式や新学期など新しい生活がスタートし、ワクワク、ドキドキしながら、朝を迎える子どもたち。いじめや体罰など、今子どもたちが置かれている環境は大丈夫なのでしょうか。国連児童基金(ユニセフ)が、先進国29カ国の子どもたちの生活状況を調査し、幸福度をランク付けした報告書を発表しました。

4月10日に発表された研究報告書「レポートカード11」は、子どもの幸福度を測るために「物質的豊かさ」、「健康と安全」、「教育」、「日常生活でのリスク」、「住まいと環境」の5つの側面から考え、26の項目を評価したものです。他にも子どもたち自身の満足度なども調査されています。日本はデータ不足のために29カ国のランクには入っていませんが、ランク外として報告されているいくつかの項目をここで取り上げます。

総合評価で1位がオランダ、2位がノルウェー、3位がアイスランド。英国は16位、米国は下位の26位でした。オランダは子どもたち自身の満足度でも1位だったほか、前回(2007年)も総合評価で1位でした。同報告書によると、GDP(国内総生産)と子どもの幸福度に関連性は見られず、例えばGDP世界トップの米国はポルトガル(15位)より順位が低くなっています。

ユニセフではこれまでに実施した調査をもとに長期的な傾向も分析しています。21世紀に入ってから乳児死亡率が下がり、基礎教育を終えた後の就学率が上がるなど、全体的に先進国の子どもたちの暮らしが改善されていることがうかがえます。日常生活での調査では、最低週1回喫煙する11歳から15歳の子どもの割合は8%、10代で妊娠経験のない女の子は99%、いじめの被害にあっていない子どもは3分の2と良い傾向にありました。

日本については、上位国と並んだ項目は、「乳児死亡」や「はしかなどの予防接種」、「就学前教育の在籍」、「10代で妊娠経験がない」、「大気汚染が少ない」などです。「乳児死亡」では出生児1000人のうち12カ月以下で亡くなる率が約2人でスロベニアなど5位以内の国とほぼ同じ数値、「就学前教育の在籍」では約98%と5位のデンマークと並んでいます。

一方、日本が下位国と並ぶのが「子どもの貧困」、「子どもの貧困の深さ」(*注)、「低体重での出生率」などです。とくに「子どもの貧困の深さ」では30%超となり、最下位のグループに挙げられています。なお、「いじめを受けた経験」や、「学校に行かず仕事にも就かないニート」などのリスクや教育、また「肥満度」や「運動量」など健康に関する日本の調査データは発表されていません。

子どもの幸福は数字では一概にわからない部分もたくさんあるはずです。でも、家庭や社会、国が子どものために何ができるか考えるために、こうした調査でこれまで気がつかなかった問題に目を向けたり、手をこまねいている問題で模範例となる国から学んだりできそうです。

*注:より深刻な貧困の程度を測るため、「貧困ギャップ率」(貧困ライン未満の人たちの平均所得が貧困ラインを何パーセント下回っているかを表す数値)で示す。



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