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心のあかりをともす、3.11「100万人のキャンドルナイト」

2012.02.21 大野 多恵子

Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by awa-awa-buku-buku

「でんきを消して、スローな夜を。」と呼びかけてきた「100万人のキャンドルナイト」。2003年にスタートしたこの市民運動は、夏至と冬至の夜に2時間「電気を消す」ことで、それぞれが思い思いの時間を過ごそうというものです。節電や地球環境のために、と声高に叫ぶのではなく、一人ひとりが生活の中で本当に大切な時間を体感していこうという静かなムーブメントは多くの人に支持され、全国に広がりました。

10年目にあたる今年2012年は、昨年3月11日に起こった東日本大震災から1年後という年であり、その日にもキャンドルナイトを呼びかけることになりました。きっかけは、富良野塾を主宰していた脚本家の倉本聰さんが、津波で家族を失った塾生のために海岸にキャンドルをともそうということから。

元々北海道では海難事故があったとき、被害者に村の在りかを知らせるため、浜で火を焚く習慣がありますが、被害者がもう駄目だとわかっても火を絶やさず焚き続けるそうです。霊たちに帰る古里を教えるためと言われています。倉本さんは、「東日本大震災で津波にのまれ、海に連れ去られた幾多の人たち、古里への帰着を希(のぞ)んでいるその霊たちへの道しるべにすべく、3月11日に小さなろうそくの灯をともしたい」として、3.11のキャンドルナイトを「100万人のキャンドルナイト」幹事メンバーにも呼びかけました。

これまで「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人代表として活動してきた「大地を守る会」代表の藤田和芳さんほか、辻信一さん、マエキタミヤコさん、竹村真一さん、枝廣淳子さんや、加藤登紀子さん、中沢新一さんなど多くの人がその趣旨に賛同し、今年は3月11日に全国、また海外にもキャンドルナイトを呼びかけます。

藤田さんは、「10年間やってきましたが、残念ながら3.11は私たちの生きてきた道そのものを問い返されるような大きな大震災になってしまい、日本中の人たちが心からつらいものだと受け止めていると思います。日本を見つめ直すきっかけとして次世代に引き継ぎたいという人もいるかもしれないし、いろんな人に参加してほしい」と話しています。

その意味をひとつに限定することなく、エネルギー問題を考えたり、脱原発であったり、日本の農業、食べ物への思いであったり、本当の幸せについて考えるきっかけであったりと、「100万人いれば、100万通りのキャンドルナイトがあっていいのです」と。



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