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ホールアース自然学校の究極のエコキャンプ

2012.08.27 ささ とも

富士山麓にある芝川での川遊び  (c)ささとも

都会の雑踏から脱出して、自然を求めて山や川にでかける人も多い季節。せっかくなら、とことんエコフレンドリーに自然を楽しみたいと、親子で富士山麓にある自然学校でキャンプを体験してきました。

ホールアース自然学校は、1982年に設立され、家畜動物の世話や自然体験を通じた環境教育の場として活動を開始しました。現在は、子ども向けだけでなく、企業や自治体の環境活動や、キャンプボランティア養成講座など、幅広いプログラムが用意されています。

私たちが参加したのは2泊3日の「親子遊牧民キャンプ」。小学生の子どもと親が行動を共にし、自然や動物とふれあう中で、子ども自身が考え、実行する力や、仲間と協力し合うことの大切さ、家畜動物との暮らし、自然との共存を学ぶことを目的としています。今回は東京から沖縄まで13家族30人が参加し、富士山のわき水から流れる芝川での川遊びや、富士山でのトレッキング、夜のハイキングなど盛りだくさんの日程でした。

ホールアース施設内にある芝川は一年中約12度と一定の水温を保っています。キャンプ1日目はこの清流で、カヌーをしたり、飛び込みをしたりと子どもも大人も大はしゃぎでした。2日目の富士山トレッキングでは樹林の中をゆったり歩き、雄大な宝永火口を見渡す絶景ポイントに到着。地学の知識をもつスタッフの指導で、標高約2400mで色が違う溶岩を見比べたり、炭酸飲料を使って火山噴火の仕組みを体感する実験なども行いました。

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宝永火口まで樹林帯をトレッキング (c)ささとも


その夜の宿はシカやリス(時々クマ)などが生息する富士山麓のロッジ。夜のハイキングでは、外灯のない樹林を歩き、暗闇で耳を澄まして野生動物の探索をしました。希望者は野宿し、樹冠の合間から夏の星が瞬く幻想的な夜を楽しみました。3日目の早朝ハイキングでは、猟師のスタッフに、けもの道やフンの見つけ方や、針葉樹林と広葉樹林の違いについて教わりました。

キャンプでは遊びだけではなく、日常の仕事もしっかりこなします。例えば、朝と夕は施設で飼うヤギやニワトリなどの家畜の世話、食事作りは子どもも親も協力し、使った食器は自分できれいにします。その中にエコフレンドリーのさまざまな知恵が取り入れられています。野菜くずは家畜に与えます。子どもたちは、「レタスのくずはヤギ、トウモロコシはニワトリのエサだよ」と覚えていきました。食材は、ホールアースの農園で取れた無農薬野菜をたっぷり使います。加工食品を使わないので包装のゴミもほとんど出ません。ちなみに、おやつは持ち込み禁止です。食器洗いは洗剤を使わず、ウエス(ボロ布)で拭き取り、米のとぎ汁または重曹で汚れを落として水ですすぎます。

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朝のえさやり  (c)ささとも


施設では、飲料水は富士山から天然の井戸水、他は雨水利用し、バイオトイレやコンポストなどの設備が整っています。今後は川の流れを活用した小水力発電設備の設置も考えているとのことでした。最終日の昼食は、名物の流し「うどん」。お父さんたちが青竹で作ったお手製の台、ホールアースの農園で収穫した小麦で製造したうどんという徹底ぶり。

ホールアース自然学校スタッフの津田和英さんは、「誰の子ども、誰の親に関係なく、30人が一つの家族になるという初日の目標が達成でき、大成功のキャンプだった」と最後の挨拶で語ってくれました。



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