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被災地の雇用と山の循環を守る杉の家具「KURIKOMA」

2013.06.06 菊地 将史

地元の木材と自然素材を使った家づくりを進める宮城県仙台市の住宅メーカー、サスティナライフ森の家が製造したアームチェア「KURIKOMA」 が第8回ロハスデザイン大賞2013モノ部門の最終審査に残りました。大賞は惜しくも逃しましたが、大賞発表までのオンライン投票では多くの支持を得ました。

今年のロハスデザイン大賞のテーマは昨年に引き続き、社会をよりよく、豊かに変えていくソーシャル・デザイン。モノ部門の最終審査に残ったのはアイデアあふれる40点。その中で、KURIKOMAは、東北被災地の持続的な社会の仕組みづくりに挑戦しています。

その仕組みとは、宮城県に大量にある杉材を利用したことと、特別な技術がなくても製造が可能な生産システムを導入したことです。

1 杉材の利用
日本の山では、高度経済成長期に植林した大量の杉が適当な時期に伐採されずに、自然の循環システムが壊れかけています。その一因に上げられるのが、柔らかい杉材は家具材として不適切だと思い込まれていたから。KURIKOMAは、デザイナーの榎本文夫さんが薄い杉材を繊維が交差するように積み重ねるデザインを採用し、JIS規格の3倍の強度を実現させました。こうしてKURIKOMAは、「残された」杉材を商品化したことで、山の循環システムの再生に挑戦しました。

2 生産システムの導入
KURIKOMAを製造している栗原市では、2008年の岩手・宮城内陸地震、そして2011年の東日本大震災でともに最大震度を記録しました。今、被災地では就労の機会がほとんどありません。KURIKOMAでは、簡易な作業で加工できるような生産システムを導入し、雇用の少ない地域の仕事づくりに挑戦しました。

KURIKOMAは、杉材の利用と簡易な生産システムの導入によって、被災地での社会づくりに取り組んでいます。

しかし、KURIKOMAが挑戦した課題は、宮城県のみならず、日本全国の地域が抱えている問題です。杉材の利用を通して山の循環システムを守り、安易な生産システムの導入によって地域で雇用をつくる。被災地で始まった取り組みは、日本の各地域が抱えている問題への挑戦なのかもしれません。



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菊地 将史