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「捨てられた畑」をリサイクルするためのツアーがスタート!

2013.01.25 瀬戸 義章

福島県いわき市で行ったコットン収穫のようす   photo by keita tsujimoto

日本には「捨てられた畑」がたくさんあります。これを「耕作放棄地」と言います。農林水産省によれば、2010年の段階で約40万ヘクタールもの土地が、1年以上作付けされず、しかも今後数年のうちに再び耕作される予定がないまま放棄されているそうです。耕作放棄地は年々増え続けており、農業従事者の高齢化が主な原因といわれています。

いま、この「捨てられた畑」をリサイクルするための新しい試みが、はじまろうとしています。

それは、農作業を楽しみ、美味しいお弁当を食べ、温泉に入って帰るという日帰りバスツアーです。草むしりをして、土砂を取り除き、耕すことで耕作放棄地は農地へと再生します。1人や2人でそれをやるのではなく、おおぜいでにぎやかに楽しみながら農地再生をしようというのが、このツアーのコンセプトです。再生した農地は、貸し農園に生まれ変わります。

ツアーを企画しているのは、green bird京都チームのリーダー、辻本恵太さんです。green birdは、「ゴミのポイ捨て かっこ悪い」を合言葉に、全国各地で清掃活動を実施しているNPOです。

辻本さんは去年の秋に、被災地支援ツアーに参加し、そこで初めて耕作放棄地の問題を実感したそうです。同時に、荒れ地でも畑に再生することができるんだという可能性を、収穫の喜びとともに体験しました。

「もっと近くに活動場所があれば、定期的に参加するのに」という声を聞いた辻本さんは、他の地域での展開を考えます。そして、日本の耕作放棄地ゼロを目指すマイファームとのパートナーシップを実現させました。マイファームは、全国各地で貸し農園事業を手掛けています。農のプロフェッショナルがきちんと管理することで、人手をかけて再生した畑から作物が実ります。第1弾のツアーは、3月に京都市の上賀茂で実施予定です。

辻本さんは言います。「社会問題に対しては、誰か一人が責任を負うのではなく、チーム戦で取り組めばいいと思っています。結果的に解決することが重要ですから。ぼくは、こうして声をあげることができます。どうか、汗を流せる人はツアーに参加して、お金を出せる人はクラウドファンディングで僕たちの活動を応援してください!」

このツアーには、今まで農業に縁がなかった多くの学生も興味を持っています。時間はあるけどお金がない、そんな学生たちのアクションを応援したいという方は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」をのぞいてみてください。寄付した人には、野菜の詰め合わせセットや日帰りツアーの無料招待券が贈られます。



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瀬戸 義章