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ソニーCSLが目指す「人類の未来のための研究」

2015.10.29 瀬戸 義章

ロボット義足のデモをする研究者の遠藤謙さん(写真中央)  photo by Yoshiaki Seto

10月16日、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)の「オープンハウス2015 デモンストレーション」が行われ、最先端の研究が一般公開されました。ソニーCSLは、1988年に設立された「人類の未来のための研究」を志す研究機関です。これまでに、スマホの無線転送技術や工業製品の品質向上に繋がる画像処理技術など、さまざまなテクノロジーが開発されてきました。昨年リリースされた、天気予報やニュースを自動で読み上げてくれるアプリ「Oto-Latte(オトラテ)」も、ソニーCSLのプロジェクトから生み出されたものです。

今回の「オープンハウス2015 デモンストレーション」は、ソニーCSLに所属する研究者のうち25人が、それぞれのブースにて研究内容を発表するというイベントです。100人以上の企業人や大学関係者が来場し、活発な質疑応答が交わされました。

公開された研究は、いずれもユニークなものばかりです。例えば、「Printable Garden」は、水耕栽培の庭をプリントする3Dプリンティング技術です。鉢植えから屋上庭園・壁面緑化まで、いろいろな「庭」のかたちと植物の種類を自由にデザインし、立体的に出力することができます。都市における緑化の促進や、生物多様性の向上に貢献することを目指した研究です。

JackIn eye」は人間の視覚を拡張するプロジェクトです。特殊なカメラを備えたヘッドマウントディスプレイを装着すると、あなたは自分の視点を他人と共有することができるようになります。あなたの見えているものが他人に見え、他人に見えているものがあなたに見えるようになるわけです。この不思議な視覚によって、遠隔地から現場で作業する人を効果的に支援することが可能となります。

Robotic Limb」は、人間の歩行を再現する「ロボット義足」です。従来の義足は、足首部分が動かないので、不自然な姿勢で歩くことを強いられていました。このロボット義足は足首にかかる力や角度をセンサーが検知し、それに合わせてモーターが地面を蹴るので、より自然な形で歩行を再現できます。

ソニーCSL所長の北野宏明さんは、「越境し、行動する(Act Beyond Borders)」という行動原理を掲げました。研究者が閉じこもるのではなく、実際に行動し、現場に赴くことで、世界の助けとなる成果が生まれています。



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