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農家民泊にITの力を 宮崎県西諸地区の試み

2016.04.07 Think the Earthスタッフ

農作業中のドキドキ(心拍数)を数値化するアプリの画面(撮影:真鍋奈央)

みなさん「農家民泊」についてはご存知ですか? 農家に宿泊し、農作業の手伝いや収穫した野菜を一緒に調理し食べるなど農家の日常が体験できるとあって今、人気を集めています。4年後に東京オリンピックを控え、日本を訪れる外国人「インバウンド」が増加傾向にある中で、多様化する宿泊ニーズのひとつとしても注目されています。

そこで、「農家民泊に行きたい、楽しそう!」と思ってもらうためのアプリやサービスを考えるハッカソンが3月12〜13日に東京・江東区で実施されました。この取り組みは「東京と地方をつなぐ」ことをテーマに、NTTデータと宮崎県の小林市・えびの市・高原町の西諸(にしもろ)地区3市町が協同で企画。優秀者には、宮崎特産品の宮崎牛やメロンなど豪華賞品が用意され、都内で働くプログラマーやデザイナーなど約50人が集まりました。

東京でアイデアを考える参加者たち(撮影:真鍋奈央)

西諸地域の3市町では、現地の資源を活かした農家民泊が実施されています。最近話題になった小林市の移住促進ムービーをみて小林市のことを知った方も多いのではないでしょうか。

西諸地域で農家民泊を運営する「北きりしま田舎物語推進協議会」では、現在57軒の農家が加入し、主に修学旅行生を対象に受け入れを実施しています。農家の方に話を聞くと、最初はしぶしぶ作業をする子どもたちも、農作業や牛の世話をしながら食べ物の生産過程や命の大切さを学び、帰る頃には本当のおじいちゃん、おばあちゃんのように仲良くなり、リピーターになって帰ってくるケースが多いと言います。東京では普段味わうことのない農作業や動物たちとの触れ合いはまさに、非日常体験。今後は外国人旅行者や東京の若い人たちにも来てもらいたい、という地元の要望に応えるため、東京のハッカソンで選抜メンバーに選ばれた10人が3月23〜24日に実際に宮崎を訪れ、対話ロボット「Sota」や着るだけで心拍が計測できるウェア「hitoe」などを使って開発したアプリやサービスの実証実験を行いました。


農家民泊の様子(撮影:真鍋奈央)

最終日の3月24日には、東京と宮崎をリアルタイムでつなぎ、各チームから西諸地域の市長へ開発したアプリやサービスをプレゼンテーション。10チームの発表アイデアの中から、宮崎の田んぼとネットワークでつなぎながら、東京・丸の内でどろんこ体験イベントを実施し、農家民泊の活性化につなげる「どろんこフェスティバル」が最優秀賞に決定しました。


優勝チームの様子。宮崎にいるチームメンバーも画面を通じて記念撮影(撮影:富樫実和)

地方の魅力は、地元の人にとっては当たり前であることも多く、身内同士ではなかなかその潜在価値に気づけません。今後はIT技術を活用し東京と地方をつなげること、そして多くの人がその土地の魅力に触れ、現地を訪れる機会を作ること。そういった取り組みの継続が「地方創生」の鍵になると思いました。



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このニュースの地域

宮崎、日本 (日本

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