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2024.05.07

第5回 みらいをつくる超・文化祭を開催しました!【前編】

【前編】
1. 開会式
2. スターティングセッション
3. ポスターセッション

【後編】
4. ドネーションプレゼン
5. ステージ発表/ブース展示
6. 閉会式
7. 交流会

2024年3月17日(日)に、第5回「みらいをつくる超・文化祭」が開催されました。
昨年に引き続き新渡戸文化学園を会場とし、一部プログラムはオンライン配信も行われました。今年は学生24団体、企業・NPO3団体が参加。当日の様子をレポートします。

● 超・文化祭とは? ●
“おとなと こどもと みんなでつくる 未来の文化祭”
超・文化祭は、おとなもこどもも対等に、みんなで未来をつくるために集まるソーシャルアクションフェスです。学校や年齢や所属の垣根を超えて「知って」「繋がって」「行動する」。参加をすれば、誰もが行動者になれる、そんな文化祭です。

1. 開会式

司会はSDGs for Schoolユースメンバーの高校3年生 藤井玲緒さん。はじめに、超・文化祭実行委員会の奥津憲人さん(新渡戸文化学園)から開会の挨拶がありました。

奥津さん:いよいよ、超・文化祭の当日になりました。中高生、大人、さまざまな人がこの場にいるなと感じてもらえるのではないでしょうか。学校と学校、学校と企業など、垣根を越えて文化を見つけていく/作っていく場になればと思います。

1. スターティングセッション

続いて行われたスターティングセッションは、超・文化祭に参加または過去に参加経験のある、中学生〜社会人の4名が登壇。山藤旅聞さん(新渡戸文化学園副校長)の進行で行われました。


左から、池田さん、福代さん、大賀さん、大貫さん

▼登壇メンバー
池田綾乃さん(新渡戸文化中学校 3年生/NiToBe CoLoRsメンバー)
福代美乃里さん(高校生/学生団体やさしいせいふくで活動)
大賀朱理さん(大学生/古着を活用した新しい”推し活”の形を提案)
大貫萌子さん(外資系コンサルティングファーム金融部門に勤務/SDGs-SWY共同代表、ジャパンSDGsアクション推進協議会メンバー)
山藤旅聞さん(新渡戸文化中学校・高等学校副校長/一般社団法人Think the Earth)

登壇者の詳しい紹介はこちら
https://cho-bunkasai.studio.site/posts/2024-hh

山藤(以下、──)今日は、様々なアクションを行っている皆さんに集まっていただきました。まずは「どんなきっかけで活動を始めたか」について伺いたいです。

池田さん:新渡戸文化中学校の探究の時間で、SDGsや環境問題に関心を持ちました。探究活動の一環で、LUSHという動物実験をしない企業を訪問し、絶滅危惧種について学びました。その後SDGsに関する活動を広げ、学校外でも活動するようになりました。周りの友達もSDGsに関心を持っていたことが影響したと思いますね。

福代さん:私のきっかけは、中学校1年生の時に山藤先生に出会ったことです。オーガニックコットンの切れ端を使ったワークショップに参加したことが最初の一歩。それから他校との交流や、映画『ザ・トゥルー・コスト 〜ファストファッション 真の代償〜』を見て衝撃を受けたことで、何か行動をしようと思い立ち、学生団体「やさしいせいふく」の活動を始めました。

──「やさしいせいふく」として学生団体になるまでは、どれくらい時間がかかったんですか?

福代さん:1年半くらいです。最初は服の生産や消費に関する勉強会から始まっていて、そのタイミングで参加しました。勉強会から徐々に学生団体として立ち上がっていきましたね。

──大賀さん、大貫さんのきっかけは何でしたか?

大賀さん:私は明星学園高校3年生だった時に、青山学院大学の方からフェアトレードについて学び、それをきっかけにLUSHに取材をして、校内新聞を作ったことがきっかけです。当時、大学の指定校推薦の際にアピールできる活動をしたいと考えていて、ちょっと不純な動機かもしれませんね(笑)でも、やってみるとすごく面白くて、「難しい問題に向き合うことの面白さ」を感じるようになりました。

大貫さん:私は幼少期からスペイン、フランス、南アフリカ共和国とさまざまな国での暮らしを経験しました。特に小学校に上がるタイミングで南アフリカ共和国に引っ越した際に、環境問題や貧困問題を目の当たりにして、とても衝撃を受けたんです。でも当時は「個人の力ではどうにもならないな…」と感じていました。

高校生で日本に帰ってきた頃にSDGsが採択され、この枠組みの可能性を感じて、勉強しようと考えました。その頃、JICAで開催されたSDGsの勉強会にたまたま参加し、山藤先生と出会いました。その後、SDGs for Schoolの活動の中で、進学先である慶應義塾大学の蟹江教授と出会ったんです。

──イベントの「場」をきっかけに、思いが触発されたり、アクションが促されたりしたんですね。

──皆さんそれぞれの活動は継続中かと思いますが、何かしらのイベント出展やアウトプットなど、いくつかの”区切り”を経験してきたことで、今どんなことを感じていますか?

池田さん:私は学校や地域のエコフェアに参加してみたことで「FSC認証制度」の認知度の低さがわかったので、認証制度を知っている人を増やしたいと思っています。

福代さん:活動を継続するには「自分がワクワクすること」が大事だと感じています。それからどんな社会課題にどんな良い影響を与える活動なのか、まとめたり考えたりすることも大事だと考えています。

──なぜ「ワクワクすること」を大切にしたいと考えたんでしょうか。

福代さん:私はもともと「危機感」を原動力に活動をしていたんです。でもそれだけだと続かないし、その気持ちだけでは社会を変えていくことができないと感じていて。続けていくためには、自分自身が楽しいと思っていることが大事だと思うようになりました。

大賀さん:私は自分の変化を感じています。フェアトレードのイベントに初めて参加した時も、最初は「知らない人がたくさんいるし、気まずいかも…」と思ったりして参加を迷っていましたが、一歩を踏み出してみると自分の知らない世界に出会う面白さを感じられます。以前の自分に比べて、行動力が身についたなと思います。

──大貫さんはいかがですか? 社会人になってからも活動を続け、外資系企業のサステナビリティ部門での活動もされています。

大貫さん:私が今感じているのは「社会は期待したほどではなかった」というのがリアルですね。私はビジネスにすごく可能性を感じていて、お金が動けば社会が動くと考えているんです。コンサルタントとしてさまざまな会社の経営や情報開示を目にしたり、担当者の方とお話をしたりする機会があります。その中で感じるのは、私が思い描いていた、サステナビリティを推進している企業の姿ではなかったというのが本音です。


──企業と「サステナビリティ」というキーワードでコミュニケーションをしているものの、疑問を持たれているんですね。

大貫さん:そうですね。学生の頃は「大人や社会は、サステナビリティに対して本気で変えたいと思っているんだ」と感じていたのですが、実際の企業に就職してみると、そこまでではありませんでした。私が学生時代に出会った社会人は「サステナビリティを本気で考えている大人」だったんだと気づきました。企業は利益を出さなくてはいけませんし、投資家やステイクホルダーから求められるものがあります。学生時代に考えていた世界とはギャップがありましたね。


──社会の中でも「言われてやっている人」と「やりたいと本気で思ってやっている人」がいると思います。企業が「サステナビリティに貢献してます」と掲げていても、担当者にはそこまで熱量がなかったり。一方で今この会場には「こういうことがやりたいんだ、解決したいんだ」という人が集まっていますよね。世代を超えて繋がったり、アクションが広がるきっかけになればなと思います。

3. ポスターセッション

続いて、同会場でポスターセッションが行われました。

明星学園中学校は「グレーゾーンDV」というテーマで発表を行いました。DV(ドメスティック・バイオレンス)は広く知られる言葉になりましたが、グレーゾーンDVとはどういったものを指すのでしょうか。“グレーゾーン”の例として挙げられたのは「大声で怒鳴る」「他の異性との連絡を制限する」など。内閣府の資料では、配偶者からの暴力を相談しなかった理由として「相談するほどのことではないと思った」という回答が多く、「多くの被害者が(自らの被害を)問題として認知していなこと」が問題点ではないかと話しました。


グレーゾーンDV(明星学園中学校)

オンラインからポスターセッションを行なったのは、辻調理師専門学校 学生サークルSSP。ASC認証、有機JASマークなど、国際認証ラベルのついた食品を使ったレシピコンクールを現在企画中です。食品にはあらゆる認証マークがあるものの、日本のスーパーでは認証マークに注目した買い物があまり行われていないのではないかと指摘。認証制度を知ってもらいたい、環境や社会に配慮されて作られた食品を選ぶ人を増やしたい、という思いを語りました。


国際認証ラベルレシピコンクール(辻調理師専門学校 学生サークルSSP)

SDGsミーティング(都立南多摩中等教育学校)

NiToBe CoLoRs 中学生SDGsアクションプロジェクト(新渡戸文化中学校)

SDGsポップアップストア(晃華学園高校)

哲学ラボ(新渡戸文化中学校)

その他にも、昆虫食や哲学など様々なテーマでポスターセッションが行われました。参加団体はこちらでも紹介しています。

ドネーションプレゼン、ステージ発表/ブース展示、交流会は【後編】でご紹介します。
→後編はこちら

執筆:佐藤由佳/撮影:村瀬 悠

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