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Climate Change

深海にも及んでいた気候変動の影響

2009.11.10 中川 真琴

水深2000メートル以下の深海に広がる深海平原。地球表面積の6割を占める深海平原は、大気、陸上生物圏、海洋といった炭素の貯蔵庫の一つとして、地球上の炭素循環に大きな役割を果たしています。かつて表・中層の海洋環境からは比較的孤立して安定した環境を維持していると思われていた深海平原ですが、モントレー湾水族館研究所(米カリフォルニア)のケン・スミス博士らの調査で、深海平原もすでに気候変動の影響を受けていることがわかりました。

海底平原では、表層から沈んできた生物の死がいや糞(ふん)などの有機物が海底生物の主な食物源です。気候変動で風向きなどに変化が生じると、表層と深層の水を循環させる湧昇(ゆうしょう)流などに変化が起き、海底の食物源に影響が出るとスミス博士は指摘します。今回調査されたカリフォルニア沖の海底ではタラ科のソコダラが1989年から2004年の間に2倍に増え、以前はよく見られた種のナマコは1998年以降いなくなったと報告されました。

早いものでは数週間から数カ月といった、予想以上に早いサイクルで環境変化が起きていることがわかった深海平原ですが、その変化はほとんどの気候モデルには反映されていません。スミス博士は、海底環境の情報をさらに収集し、気候モデルに組み込むよう提案しています。



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マニラ・フィリピン (アジア/オセアニア

中川 真琴