百年の愚行(ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY)
トマ・ピケティ著/山形浩生訳/みすず書房

過去200年以上に遡って欧米の税務統計を分析し、富の不均衡、すなわち所得格差が生まれる原因を明らかにした書物。歴史的に「資本収益率(r)>経済成長率(g)」という不等式がほぼ成り立つが、それは富裕層への富の集中を意味する。しかもこの不公平は、世襲によって年々拡大してゆく。格差の拡大と移住による脱・節税を防ぐために、著者は富裕層へのグローバルな累進課税を提案。格差による歪みを是正する案として一考に値する。