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2020.11.18 | 河内 秀子

ドイツ発:コロナで増える使い捨て容器のゴミ問題 デポジット方式の容器で解決へ?

新型コロナウイルスの第2波が広がるドイツでは、11月2日から再び、「ロックダウン」が始まっています。3月末からの全面的な外出・接触制限とは異なる緩やかなものですが、劇場や美術館は閉鎖され、飲食店はテイクアウトのみが許されることになりました。

「餌をあげてください」と書かれたベルリンのゴミ箱。
使い捨てのプラスチック容器があふれでている

コロナ禍で急成長しているテイクアウトやフードデリバリーサービスですが、同時に、使い捨ての包装ゴミの問題も大きくなっています。ドイツ最大のリサイクル企業Remondisの調べによると、コロナの影響でドイツの家庭ゴミは5〜14%増加しているそうです。2010年から右肩上がりで増え続けているドイツのゴミの量は、最新の発表で過去最多を記録(ドイツ連邦環境庁調べ。数字は最新で2018年)。2020年の数字が出れば、その記録が更新されることは確実だと推測されています。特にテイクアウトのピザの箱や使い捨てのテイクアウトコーヒーのカップなどが目立つとのこと。リサイクル率も50%を大きく下回り、プラスチックゴミの大半が焼却処分されているのが現状です。

今年11月6日、ドイツでは、使い捨てのプラスチックやポリスチレン製の容器の流通を禁止する政令案が可決されました。これは昨年EU議会で決まった指令を受けてのものですが、ドイツではEU基準よりもさらに厳しく、植物由来や生分解性プラスチックも含まれます。翌年2021年7月3日から、全ての販売が不可となります。

コロナ禍の影響が来年いっぱい続くとしたら、ただでさえ厳しい経営状況の飲食店が、テイクアウト用のプラ包装の禁止で、さらに苦境を強いられることになるのでは、と不安の声も上がっています。

そこで登場したのがデポジット制のテイクアウト用容器「REBOWL」。2017年から、デポジット制のテイクアウト用コーヒーカップを提案しているスタートアップ「RECUP」社の新しいアイデアです。

REBOWLは、200回以上使うことができ、リサイクルも可能な素材でできている。URLから使える店も確認できる  
 ©︎reCup_GmbH 

これまでも店ごとに、容器を持参した場合はドリンク価格を割り引くなどの試みはあったのですが、持参容器の衛生的な問題も指摘されていました。そのため、100%リサイクル可能な容器をデポジット制にして広く展開、回収と洗浄はパートナー企業が行うというRECUPのアイデアは画期的でした。特に、これまで容器を洗うスペースがなく、再利用可能な容器を使うことができなかったキオスクやガソリンスタンド、パン屋などテイクアウト販売が中心の店が導入できるようになった影響は大きく、現在では全国5000以上のカフェやレストラン、キオスクやガソリンスタンドなどがRECUPを使っています。

コロナ禍で、テイクアウト販売のみとなったベルリンのカフェの店先で。「カップを返却するついでにまた店にコーヒーを飲みに来てね!」と店のスタッフに声をかけられた

ベルリン市では、地下鉄の2番線とSバーンの7番線沿線に重点的に導入してもらうパイロットプロジェクトが昨年からスタート。また、ユーザーがアプリなどで事前登録するなどの必要もなく、誰でも手軽に始められるのも利点でした。

シンプルでタイムレスなデザインを意識したというRECUP。各都市の名所をさりげなく入れた、街のオリジナルバージョンも存在する。これはライプツィヒのもの

カップ同様のサービスをテイクアウトの容器でも、と始まったREBOWL。RECUPでは、次にカフェに行く時に忘れたり、捨ててしまったりして、カップがうまく循環しない問題点が指摘されていましたが、RECUPの1ユーロに対して、REBOWLは5ユーロとデポジットの額も大きく、捨ててしまうことは少なくなりそうです。

加盟店が増えれば、返却できる店も増え、お客はより便利に。コロナ禍を包装ゴミの減少、環境意識を変えるきっかけにしよう! と呼びかけています。

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河内 秀子
河内 秀子(かわち ひでこ) 地球リポーター

ドイツ ベルリン在住 東京出身。2000年からベルリン在住。ベルリン美術大学在学中から、ライター活動を始める。 現在雑誌『 Pen』や『 料理通信』『 Young Germany』『#casa』などでもベルリンやドイツの情報を発信。テレビのコーディネートも多数。http://www.berlinbau.net/

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