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2021.10.14

ティーチャーズ・ギャザリング2021を開催しました!

SDGs for Schoolの活動として2018年から、サステナビリティをテーマに各学校で実践している授業を発表しあい、企業やNPO、地域の活動を知ることなどを通じて未来の教育を考える場、ティーチャーズ・ギャザリングを実施しています。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響によりオンラインでの実施です。

ティーチャーズ・ギャザリング2021

今年は、300名を超える申込をいただきました。チャット欄でも活発に意見が交わされ、学びへの熱意が大いに感じられる会となりました! 当日の様子を、レポートとしてお届けします。

◇第一部:いまさら聞けないSDGsの本質

●主催者からのメッセージ

最初は、新渡戸文化学園の山本崇雄先生による開催の挨拶。先生が今年得た気づきについて話してくださいました。


新渡戸文化学園 山本崇雄さん

OECDが示すフレームワークとラーニングコンパスを参照し、個人個人が持っている知識やスキル、態度・価値観などを活かすこと、個人と社会の幸福を目指すこと、「こんなことを学びたい」「こんな力をつけたい」と子どもたちが主体的に学べる環境を作ることの大切さについて解説し、「できないことに寛容な社会を作ることの大切さ」についてお話くださいました。

山本先生は、持続可能な社会がその先につながっているのだと言います。今日発表してくださる先生たちの授業からは、子どもたちが主体的に学ぶ機会がどんどん生まれています。学びから芽吹いた気づきや活動が、この先どんな形になっていくのか、とっても楽しみですね!

新渡戸文化学園の山藤旅聞先生からは、「SDGsの基本の“き”」をテーマにお話いただきました。


新渡戸文化学園 山藤旅聞さん

山藤先生の好きなターゲットの1つは、12.8「2030年までに、人々があらゆる場所で、持続可能な開発や自然と調和したライフスタイルのために、適切な情報が得られ意識が持てるようにする。」。このターゲットからは、この時代で教師をする責任や、その教育がこの先の世界にとって重要であると話します。

SDGsの達成年まであと10年を切りました。そんななか、2021年8月に出た「IPCC 第6次評価報告書」では、地球の温暖化の原因は間違いなく人間であると書かれていました。SDGsの決議書前文には、「Transforming our world=私たちの世界を変革する」と書いてありますが、サナギが蝶になるような大きな変化が、私たちの社会に求められているのです。今は、大人主体の社会から子ども主体の社会に変わるターニングポイント。これからの地球を守る世代は若者であることを、山藤先生は強調されました。

●基調講演:永田佳之先生 聖心女子大学教授/グローバル共生研究所・副所長

永田佳之先生から、「SDGs時代の教育デザイン」というタイトルで、講演いただきました。


聖心女子大学教授/グローバル共生研究所・副所長 永田佳之先生さん

「SDGsを達成するために何をしたらよいのか」を教育の場面で考えると、3つのチャレンジが浮かび上がってきます。1つ目は、自己変容。2つ目は、持続可能な学校文化の形成。3つ目は、社会変容です。

永田先生は、朝日新聞のコラムにて、ある提言をされていました。SDGsに照らし合わせて見れば青信号の日本の教育。でも不登校が問題となったり、外国にルーツを持つ子どもたちが取り残されたりしていることを考えると、2005年から2014年に実施されてきたESD教育の知見が生かされるべきとのことです。

SDGsの達成において自己変容が大事なのはもちろん、2つ目に持続可能な学校文化の形成があげられているのは、ユネスコが「文化は学校ガバナンス、教授と学習、施設と運営、地域連携などを含むあらゆる学校活動の基盤となる」としているからです。

同時に、社会の価値観は少しずつシフトしていくと永田先生。他者による評価から自己評価、競争よりも共生、“幸せになる”よりも“幸せである”、頑張ることよりも楽しむこと……。学校の先生のあり方も、知識から好奇心を持っていること、答えを知っていることから問いを活かすこと、強さから等身大であること、成長から変容……など。しかし、自己変容させていくだけでなく、それを社会変容に結びつけ、再び(他者・もしくは自身の)自己変容に還元させることが大切だそうです。

これから求められるのは、社会システムそのものの大きな変革。「どのように関わっていけるか。一緒に考えましょう!」と、教育の変革に向けてメッセージを発信されました。

永田先生が紹介してくださった教材が2つあります。ぜひ授業で活用してみてください!
・気候変動教育―学びのエッセンス―
永田先生と大学院生が共同で作成した授業等に役立つプラットフォーム。ホームページで無料で公開しています。
https://climate-empowerment.com/
・学び!とESD(日本文教出版)
永田先生や研究室の大学院生、ウェブマガジンを毎月更新しています。
https://www.nichibun-g.co.jp/data/web-magazine/manabito/esd/

●SDGs for Schoolについて

続いてSDGs for Schoolの活動紹介です。SDGs for Schoolサポート・ティーチャーの山藤旅聞先生、奥津憲人先生が具体的な活動について紹介しました。


左)山藤旅聞さん/右)奥津憲人さん

山藤先生は、マレーシアのボルネオ島を訪ね、パーム油の大量生産・大量消費や生物多様性の問題を、体験・実感するツアーを実施しています。参加するのは、応募した中・高校生20名と大人10名。現地で自然保護活動団体や農場経営者の話を聞くことで、さまざまな角度から物事を見つめます。(2020年、2021年はオンラインで実施)

2020年、コロナ禍でも「学びを止めたくない」と、ツアーに参加した高校生が同級生を巻き込み、勉強会「サステナブルラベルスクール」を発足させました。今年は新たに、ツアーとスクールをあわせたオンラインスタディツアーを実施しています。社会課題と地球の問題を我が事として捉えることで自己変容が起こり、学んだことを周りに伝えることでパートナーシップが生まれ、社会変容が生まれるという循環が起こりつつあるそうです。

奥津先生からは「超文化祭」、「超談話室」について発表がありました。

超文化祭の第1回目は2019年に開催しました。超文化祭は、学校外とつながる場をつくり、学生のアイデアが社会に踏み出す一歩をサポートする垣根を超えた文化祭です。プログラムは、学生たちによる活動報告や、講演、企業プレゼン、ワークショップ等。参加費は参加者の投票によりすべて参加した学生団体へ寄付をします。アイデアの発表者は、学外からも募ります。実施した2019年と2020年(オンライン)ではともに200人以上が参加。次回は2022年3月を予定しています。

超談話室は、オーガニックな商品やライフスタイルを提供する仕事をしている方をゲストに迎えます。講演やイベントでは話者が一方的に話しますが、この活動では、聞き手が積極的に質問をすることで対話が進みます。進行役を務めるのは学生。これまでに5回実施しました。ティーチャーズ・ギャザリングの後半で、学生さんたちが詳細を発表してくれます。

SDGs for Schoolでは、先生や学生から立ち上がってくるアイデアがもととなったプロジェクトがたくさん生まれています。

ここから、各校の先生が実践されている授業報告です。

●新井誠司先生 和洋九段女子中学校・高等学校


和洋九段女子中学校・高等学校  新井誠司さん

和洋九段女子中学校高等学校は、東京都千代田区にある中高一貫校。生徒たちは6年かけて、SDGsを学びます。中学1年生ではカードゲームでSDGsについて知り、中学2年生でSDGsに取り組む企業やNPOを訪問。高校1年生では地方創生とSDGsという視点を学びつつ、高校1年から3年の「探究の時間」で、社会貢献プロジェクトを立ち上げます。こうして我が事にしてもらいながらアクションを促していくのです。

生徒の発案が実現した例として紹介されたのが、校内の自動販売機。公益財団法人CIESF(シーセフ)に利益が寄付される自販機を設置したところ、同学園の大学でも設置するようになったそうです。

また、校内の事例として全国的に名高いのがSDGsすごろく。これは遊びながらSDGsについて知ることのできるツールです。国連広報センター、ポプラ社、日本大学商学部など、さまざまな団体の協力を得て形になり、SDGs探究AWARDS2019で優秀賞を受賞。ラジオ番組や新聞にも取り上げられたことで、生徒の自信につながりました。

新井先生は「失敗を恐れずとにかくやってみて」と教師が背中を押すことが、生徒たちの力になったと話します。「これからの社会を共生するのに大切なのは、良質なつながり。それが生徒の成長につながるんです」という、力強い言葉が印象に残りました。

●玉腰朱里先生 都立大泉高校

玉腰先生は、国語の授業にSDGsを絡めています。授業で行っているのは、小説創作。“魅力のある主人公”は往々にして葛藤を抱えていますが、主人公像の掘り下げにSDGsを活用しています。生徒たちはまず、新聞記事などで調べて得た情報を、SDGsを使ってつなげていきます。こうして深めた理解によって、小説の主人公の気持ちや背景まで理解していくことができるそうです。書き上げた原稿は、同級生との編集会議を経て完成。次の段階では読書会を開き、クラスメイトの作品を追体験する機会としています。

この取り組みは後に発展。文庫本として印刷し、保護者に販売した売上で子ども食堂を支援する活動も生まれました。高校2年になった今年は、支援から生まれたつながりで、フードバンクでの活動もしているそうです。

生徒たちは、それぞれ小説にあとがきをつけているそうです。その例として、「体験したことでなくても、自分に起きたこととして捉えることができた」という一文を紹介してくださいました。玉腰先生は、「人間の根底にあるのは感情で、表出するのは言葉。体験したかのように一人称で語ることで作者に変容が起こる」と話されていました。

●椿仁三千先生 千葉県立小金高校


千葉県立小金高校 椿仁三千さん

SDGsに関わる学びのことを、小金高校では「ミライガク」と呼んでいます。これは、生徒がやりたいことのための勉強。生徒自らが課題を設定することで、学びに「おもしろい」「楽しい」といった感動が起きるのだそうです。

学校では、普段の授業でも探究学習を実施。1年次では、SDGsに取り組む企業や人に取材し、物事を多角的に見る目を養っているそうです。2年次は、生活のなかで気になったニュースが出発点。半径5メートル以内で問題となっている、もしくは問題になりそうなものを見つけます。SDGsに「地域」「地元」といった単語を加えると、ぐっと我が事となる、と椿先生は話します。

こうして得た学びと活動は、2020年の超文化祭で発表されました。そのうちの一つが、特産品を使った商品の開発。市と農家、地域のパン屋の協力のもと、「あじさいねぎ」という品種のねぎと「新松戸レモン」を使ったパンが誕生しました。その他、動画を通したヘアドネーションの広報や、子ども食堂への食材の寄付など、内容は多彩です。活動を通して、責任感やプレゼン力、社会人の視点で物事を考える力が身についたそうです。

大事なのは、生徒たちが諦めないで主体的に取り組めること。結果だけでなく、プロセスや思考ももっと評価して、チャレンジする人が増えれば社会が活性化されるはずだ、とおっしゃっていました。

●佐々木千咲先生、新田真先生 東京都立墨東特別支援学校 


東京都立墨東特別支援学校 左)佐々木千咲さん/右)新田真さん

墨東特別支援学校は、体に障害のある生徒、病気療養中の子どもが通う学校で、小学部、中学部、高等部の生徒が在籍しています。2つの取り組みをご紹介いただきました。

1つは、「ペタッとSDGs」。朝日新聞社が開発・提供しているワークショップで、講師はCSR推進部の遊佐美恵子さんが務めます。ワークに用意したのは、SDGsの17アイコンが一つずつ印刷された付箋紙と、それぞれ食品ロスと国連世界食糧計画をテーマとした2つの記事。中学部の身体障害のある生徒2名が記事を読んだ後、「自分ができること」や感想を考えて付箋紙に書き込み、対応する記事に貼っていきました。

ワークにあたり、付箋紙は記入欄を大きくして書き込みやすく、記事は拡大印刷して読みやすく思考の可視化ができるようにしたそうです。コロナ禍でオンラインで実施したためパソコンを一人一台用意。遊佐さんとは会議ツールを通して一対一で対話をしました。生徒からは、「飢餓に苦しんでいる人たちがいることに改めて気づいた」といった感想があり、先生自身も「SDGsをツールにすることで、主体的に動く力、自分なりの方法で取り組む力、生活で必要なものを使いこなす力、コミュニケーションの力が伸ばせるのだと感じた」と発表されました。

2つ目は、今年8月に実施した、校舎でのパラリンピックの観戦。障害によって試合会場へ行くことが難しくても、パラリンピックのマスコットが学校を訪問し、大画面を通して臨場感のある試合を楽しむことができたそうです。コロナ禍のなかでこのように観戦を楽しんだという発表は、参加者にも喜びをもたらしてくれました。

実践授業の報告の最後は、新渡戸文化学園から3人の先生です。最初に山藤先生からの発表です。

●山藤旅聞先生 新渡戸文化中学校・高等学校 総合的な探究の時間 1・2年

同校ではこれまで実施していた全ての修学旅行がスタディツアーに変更されました。生徒たちはこれにより、社会が抱える課題を、現地方訪問や当事者たちとの対話を通じて知ることとなります。しかし、生徒がSDGsを学ぶのは1年生の2学期になってから。生徒の心が動いて起こしたアクションが、振り返ってみればSDGsにつながっていた、という過程を大切にしたいからだそうです。

2学期に実施するのは、「好きから始めるSDGs」。このワークは博報堂DYグループが開発しました。最初にマインドマップのように生徒自身の好きなモノやコトを単語で書き出し、SDGsの番号をその1つ1つに関連付けていくことで、自身の興味とSDGsゴールをつなげていきます。「より深い情報を得るには『単語+SDGsゴール+人(もしくは本、イベント、など)』で検索する方法がある」と山藤先生は話します。

軍艦のプラモデルが好きだった生徒は、このワークを経て学校を飛び出し、第2次世界大戦中の軍艦「雪風」乗組員にインタビューしたそうです。その内容を文化祭で発表しただけでなく、翌年には全校生徒と乗組員の方をオンラインでつなぐ戦争講話までデザイン。彼の活動に触発された生徒も着々と増えています。この広がりは、まさに自己変容と社会変容の循環と言えるかもしれません。

●高橋伸明先生 新渡戸文化中学校 朝活動×「総合」×学校行事 1~3年


新渡戸文化中学校 高橋伸明さん

中学部の生徒が抱えるもやもやや問題意識を聞いたところ、平等性やジェンダーに関わっていることが多いかったそうです。朝活動の新聞活用学習でも、ジェンダー平等についての記事が挙げられることが多いのだとか。そこで、学校行事に絡める形で取り組んだのが、「運動会のリデザイン」です。

生徒全員が話し合いを重ね、男女の壁、運動の好き嫌いや能力の差を乗り越えながら、平等性を保った種目を考案。運動会づくりをしていきます。意見をまとめる際には、SDGsの「誰一人取り残さない」という精神にのっとり、多数決ではなく全員の案を取り入れる方法に。生徒の配慮や工夫もたくさん見られたそうです。

実施した運動会では、その成果を形に。誰もが楽しめる競技を実際に行いました。

●奥津賢人先生 新渡戸文化中学校・高等学校 生物 中学1年生、高校2年生

「SDGsを普段の教科に取り入れるには、ネタをどうつなげられるかにかかっている」と奥津先生。2021年夏のスタディツアーで訪ねた三重県の漁師さんから教材となるアジを提供いただき、魚の体内環境を観察して料理をするという授業を実践しました。この授業には、生物基礎と家庭基礎の単元が合わさっています。

生徒たちが家庭科の教室でメスを持ち、解剖してみると、胃の中には消化されていない魚やさまざまな内容物が。そこで三重県の漁師さんとオンラインでつなぎ、胃の中に入っていた魚の種類なども教えてもらうなど、教科横断だけでない学びも生まれました。

これにより学べるのは、魚の素材、さばき方、生きものの体内環境の観察、食物連鎖の理解、調理法。教科横断で単元を合わせれば、学びの関連付けも強められます。ただ、気をつけたいのは、何のために接続するのかを明確にすること。教師自身が題材や最新情報、目的を明確に持ち、教科で活用できそうな部分を探し、必要に応じてカリキュラム・マネジメントをすることで、このような授業が実現できるそうです。

これまでに発表してくださった先生がたの実践授業のいずれもが、異なる教科やテーマにつながりが生まれる授業でした。

ここから、大人と協働しながら活動をしている学生さんの発表です。

やさしいせいふく 折笠優月さん、坂本亮さん、草間錬蔵さん、島﨑恵茉さん、稲垣貢哉さん(一般社団法人M.S.I.)


左上)坂本亮さん/右上)折笠優月さん/左下)島﨑恵茉さん /右下)草間錬蔵さん

「やさしいせいふく」は、学生団体です。健康被害、低賃金、環境負荷など、衣服にまつわる問題に気づき、解決するための「やさしい価値観」を広めることを使命としています。

団体自ら製造と販路を整理し、農家と学校が直につながるTシャツを販売。同年代や後輩に向けて発信し、文化祭や体育祭のイベントTシャツとしての利用を促進しています。そのほか、講演活動やイベント登壇やメディア掲載、経済産業省への提言なども行い、問題の周知と解決に向けた運動を行っています。

団体の始まりは、2019年4月に渋谷・代々木公園で行われた「アースデイ東京」でした。SDGs for Schoolのユースメンバーとして参加した際、Textile Exchangeアジア地区アンバサダーの稲垣貢哉さんに出会ったことで活動がスタートしました。アパレルについて深く知るにつれ、さまざまな問題が存在すること、日常を過ごしているだけでは知り得ない構造の問題があることを知ったそうです。

現在のメンバーは、中学2年生から高校3年生までの15名。活動を初めて今年で2年。参加した先生たちへ「イベントTシャツへの導入を学校で検討してほしい。講演の依頼も受け付けています」と呼びかけました。

超談話室 高橋ほのみさん、大澤結穂さん、大日方 萌さん、前田 剛さん(MADE IN EARTH)


左上)高橋ほのみさん/中央)大澤結穂さん/右上)大日方 萌さん/中央下)MADE IN EARTH 前田 剛さん

超談話室では、SDGsにかかわる活動をしている方々をゲストに迎え、活動を始めることになったきっかけを聞いています。高校生は、進路をこれから考えていかなければならない年代ですが、大人の体験談を聞く機会はあまりありません。高校生が実行委員を担い、さまざまな考え方に触れ、行動に移していくことを目的としています。

これまでのゲストは、MADE IN EARTH、アレッポの石鹸、COCO WELL 、LOGONA JAPAN、KURATA PEPPERの方々。当日は、MADE IN EARTHから前田 剛さんも参加し、超談話室さながらのトークが繰り広げられました。

トークの内容は、活動で印象に残ったこと、メンバー各自の関わることになったきっかけ、活動への大人のサポート、今後の展望について。「好きなことを見つけられますか?という質問に、KURATA PEPPERの倉田浩伸さんは、まずは興味のあるものでいい、好きなものは後で見つかると答えてくれた」(高橋さん)、「その場でパッと思いついたものにも丁寧に答えてもらえて、とてもライブ感がある」(大日方さん)、「学生のみんなが素敵で、自分自身も学ぶところが多い。世の中の大人ももっと若者と交流を持ったほうがよいと思う」(前田さん)といういずれの話も印象的。最近参加した大澤さんは、「次回からもっと運営に関わっていきたい」という意気込みを話されていて、今後の活動の広がりを予感します。

超談話室の雰囲気そのままに終始暖かく優しい雰囲気で、心がとても暖かくなりました。

よなばる綱がるプロジェクト 磯部 達さん、崎原結斗さん、大城貴淑乃さん


左)磯部 達さん/右)大城貴淑乃さん

このプロジェクトは、沖縄県与那原町で行われている活動です。地元の県立高校生、短期大学の学生との合同チームが月に1回、SDGsへの取り組みや世界で起こっていることを学びます。SDGs MANABI-Ba for schoolという名称で、学んだことを実践し、地元の課題を解決していくことを目的としています。

この活動から、会社が設立されました。執行役員社長から企画部長までの役職には学生が就き、それを、会社へと出資した株主と、与那原町、知念高校と沖縄女子短期大学がサポートするのです。

企業形態は、ドイツの「シュタットベルケ」という仕組みを参考に、再生可能エネルギーを売買し、与那原町の課題解決につなげるというもの。事業では、地域の特徴を発掘し商品開発、町の人々の健康づくり、不登校の子どもたちと話す場づくりなどの活動などを行います。これらの事業と同時に、幼稚園や小学校、中学校に学びの場を提供することで、町全体をより良くしていくと言います。

町の人々へ、電力切り替えの売り込みはせず、町のための活動を優先で、事業を行っていくとのこと。「町を育てる会社」を企業理念とし、学生中心に活動が広がっていきます。

◇第2部:社会とつながって本質的なSDGs教育を

第2部は6つの企業から、授業に活用できるツールやプログラムを紹介いただきました。当日は、各企業が概要をプレゼン。その後、分科会を行いました。

●朝日新聞社CSR推進部 遊佐美恵子さん


朝日新聞社CSR推進部 遊佐美恵子さん

朝日新聞社からは、東京都立墨東特別支援学校でも実施されていた「ペタッとSDGs新聞学習ふせん」(「ペタッとSDGs」)を使ったワークショップの紹介です。このワークショップでは、思考が見える化され、SDGsの学びを深めることができます。

用意するものは、新聞または切り出した記事、SDGsの各目標が印刷された「ペタッとSDGs」。SDGsを意識しながら記事を読み、関連するゴールのふせんを選びます。ふせんの余白に感じたことを書き出し、見出し近くに貼り付けます。そうすることで参加者の思考が見える化され、書き出されたものを見ながら対話することで、他者の異なる視点を手に入れることもできます。

「ペタッとSDGs」お試しシートはこちらから 
https://www.asahi.com/corporate/sdgs/13208860

新聞は、教科書に乗っていない情報や、最新の話題、ポジティブ・ネガティブなニュース、専門的な知識など、広範囲の事柄が散りばめられています。さらに掲載されている企業名、研究機関、大学名、研究者、学者、URL、参考書などのキーワードを使ってインターネットで検索すればさらに詳しい情報を得ることができると言います。

●一般社団法人アースカンパニー プログラムマネージャー 藤本亜子さん


一般社団法人アースカンパニー プログラムマネージャー 藤本亜子さん

藤本さんは、バリ島のウブドから参加いただきました。アースカンパニーは、「次世代につなぐ未来を作るチェンジメーカーを支援・育成する」をミッションとして、日々活動しています。学校向けには、バリ現地やオンラインにてインパクトアカデミーというプログラムを実施。これまでに48回開催。24カ国から700名以上が参加しています。

インパクトアカデミーの目的は、「心に火をつける」。アースカンパニーが支援しているチェンジメーカーから、彼らのライフストーリーを通じて今世界で何が起きていて、なぜ課題は生まれているのか、そしてどんな解決策があるのか、SDGsの本質を頭と心で理解します。

「心に火がつくと、学生自身が自ら行動を起こしたくなる」と藤本さん。火をつけるプログラムが最大12時限、行動を変えるプログラムが最大8時限と、次のアクションまでサポートしてくれます。現地での実施が難しい場合は、オンラインでの開催も可能。さらに、前半はオンラインで、後半は現地にて、とアレンジすることもできます。

●KCJ GROUP株式会社 キッザニア事業本部 石田久美子さん


KCJ GROUP株式会社 キッザニア事業本部 石田久美子さん

KCJ GROUP が企画・運営をしている、子ども向け職業・社会体験施設「キッザニア」。日本国内には、「キッザニア東京」(東京都江東区)と「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)の2施設があり、3~15歳の子ども達が、約100種類の仕事やサービスを体験し、楽しみながら働くことの意味や社会の仕組みについて学ぶことができます。

また職業体験を英語で行うプログラムの展開や、学校向けにキャリア教育に特化したプランなども提供しています。そのため多くの小・中学校が、キャリア教育や職場体験、外国語活動の一環として、校外学習・修学旅行等で活用されています。

今後は 「『働く』ことを通して持続可能な未来を考える」をテーマに、SDGsとキャリア教育を融合させたプログラムも計画しています。キッザニアでの体験に加え、事前・事後学習を通して、自分を知り、社会との繋がりを知る体験から、未来の創り手としての自身のキャリアプランを描くサポートをするツールとなる予定です。

●野村ホールディングス株式会社 サステナビリティ推進室 廣瀬ミハエル夏美さん


野村ホールディングス株式会社 サステナビリティ推進室 廣瀬ミハエル夏美さん

野村ホールディングスは、グローバルに拠点を持つ金融サービスグループ。「金融資本市場を通じて、真に豊かな社会の創造に貢献する」ことをその社会的使命としています。

サステナビリティ推進室では、小中学生から大人までを対象とした金融経済教育プログラムを実施しています。90年代から積極的に金融経済教育に取り組んできており、学校を訪問してプログラムを実施する際にも、事前の打ち合わせなどを綿密に行い、要望にあった形に構築したうえで実施しているそうです。

man@bow」というサイトでは、金融経済に関する知識を掲載。また、学習教材を作成し、全国の学校にも無料配布しています。さらに、SDGsボードゲーム、SDGsとお金をテーマとした中高生向けの教材も開発中です。

●みんな電力株式会社 事業本部ソリューション営業部 小澤雅志さん


みんな電力株式会社 事業本部ソリューション営業部 小澤雅志さん

みんな電力では、ホームページで発電所を掲載し、それぞれの発電所の様子やその想いを紹介しています。つまり、発電者の「顔が見える」電力サービスなのです。電力は選べる時代。大学も幼稚園も、街のカフェも工場も、そしてみんなが暮らすお家の電力も、生産者がわかり、CO2を排出しない再生可能エネルギーの電気を使うことができます。

神奈川県小田原市の発電所では、畑に太陽光パネルを設置することで、農作物と電気の二毛作ができるソーラーシェアリングを行っています。また、福島県では原子力発電所の事故で使われなくなった農地を太陽光発電所とすることで、現地の雇用を創出し復興を担っています。

学校向けには大きく2つのプログラムを展開しています。そのうちの一つは、電力利用者が供給元の発電所を選べるサービスを活用。学校法人が契約する際、学生全員で発電所を選ぶ総選挙を実施しました。このプログラムは、学生が電気の仕組みと電源の選択について考えるきっかけになっています。

もう一つは、発電所の見学ツアー。小田原のソーラーシェアリングを訪問し、発電所の様子を見たりオーナーの話を聞いたりします。また定期的にオンライン発電所ツアーを弊社ユーザー、弊社SNSフォロワー向けに実施しています。
みんな電力 
オンライン発電所ツアーの紹介動画はこちら↓

●ヤフー株式会社 クリエイターズプログラム 金川雄策さん 関 雅詩さん


ヤフー株式会社 クリエイターズプログラム右)関 雅詩さん/左)金川雄策さん

ヤフーからは、ショートドキュメンタリーを活用した探究学習について紹介いただきました。「ヤフークリエイターズプログラム」というプラットフォ―ムでは、映像作家が作ったショートドキュメンタリーを公開中。あらゆる場所でのあらゆる社会課題について製作された番組を掲載しています。

ミッションは「人々の心を動かして社会課題を解決する」こと。DOCS for SDGsという特集ページでは、ドキュメンタリーの主人公を通してSDGsを伝えることを目的とした動画を公開しています。この動画を活用し、ヤフーの社員が講師を務めるワークショプを実施してきました。例えば、地球温暖化や母親の社会での生きやすさなどを扱ったドキュメンタリーなどを視聴して問題そのものを考える、サステナブルな起業を考える、クリエイターを通したキャリア形成について考えるなど、内容は多彩。動画を活用することで、映像の持つ説得力や没入感が発揮され、クラスや学年を超えた活発な意見交換が起こるそうです。2021年度からは、探究学習の教材を開発し、広く動画を使った授業を行ってもらうように発展させました。

今年のティーチャーズ・ギャザリングは、スタートからフルで参加すると6時間。このような長丁場にも関わらず多数の方々に参加いただきました。

参加者の皆さんからは、「学校を中心に地域が元気になることで、点が面へとつながっていくのだと感じました」「なかなか思うような活動ができない今、前に進める元気が出ました!」「ヒト、アイデア、たくさんの出会いと発見がありました」といった感想をいただきました。

私たちの学びはこれからも続きます。持続可能な未来を目指して、ともに進んでいければと思います。

発表に出てきた「超文化祭」。次回は2022年3月の開催を予定しています。企業やNPOと色んな学校の学生たちが一体となった楽しく新しい発見のある場です。参加をお待ちしています!

(松本麻美)

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