百年の愚行(ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY)
ブルーノ・ラトゥール著/新評論

原題は『私たちが近代人であったことなど一度もない』。近代以降、主体と客体、自然と社会は別のものとして扱われてきたが、実際にはそんな二分法には回収されないと著者は述べる。事実、地球温暖化やAIDS蔓延などの諸問題は、いずれも自然科学と社会科学の双方が対象とすべきハイブリッド(混成物)ではないか、と。危機回避のために提案されるのは「モノの議会」の開催。原書の刊行は1991年だが、主題はいまも色褪せていない。